② 〈 機会均等のパラドクス 〉を示すために、二つの事例に単純化して考えよう。ひとつは戦前のように庶民と金持ちが別々の学校に行くやり方。もうひとつは戦後に施行された一律の学校制度だ。どちらの場合も〈 結果はあまり変わらない 〉。見かけ上は自由競争でも、実は出来レースだからだ。それも競馬とは反対に、より大きなハンディキャップを弱い者が背負う〈 競争 〉だ。だが、生ずる心理は異なる。貧乏が原因で進学できず、出世を断念するならば、当人のせいではない。不平等な社会は変えるべきだ。批判の矛先が外に向く。対して自由競争の下では違う感覚が生まれる。成功しなかったのは自分に能力がないからだ。社会が悪くなければ、変革運動に関心を示さない。
パラドクス……逆説・矛盾
出来レース……はじめから勝敗が決められている、仕組まれた勝負事。八百長・茶番。
矛先……怒りや非難の方向
Q5「機会均等のパラドクス」とあるが、何をこう表現しているのか。40字以内で記せ。
A5 教育機会が均等になったにもかかわらず、かえって不平等は拡大化したという現実。
Q6「結果はあまり変わらない」のは、なぜか。その理由を述べた部分を抜き出せ。
A6 見かけ上は自由競争でも、実は出来レースだからだ
Q7「競争」とあるが、たとえば何を「競」うのか。この段落から二つ抜き出せ。
A7 出世・成功
a 戦前 庶民と金持ちが別々の学校に行くやり方
↑
↓
b 戦後 一律の学校制度
↓
結果は変わらない
一律の学校制度……平等な競争のようで、出来レース
a 貧乏→進学できない・出世を断念
↓
心理……不平等な社会の責任
↑
↓
b 自由競争→成功しなかった
↓
心理……自分の責任
③ 〈 アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)は、個人間の能力差には適用されない 〉。人種・性別など集団間の不平等さえ是正されれば、あとは各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられている。だからこそ、弱肉強食のルールが正当化される。〈 不平等が顕著な米国で、社会主義政党が育たなかった一因はそこにある 〉。
「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)は、個人間の能力差には適用されない」について、
Q8「個人間の能力差には適用されない」のはなぜか。理由にあたる部分を「~から」につながるように抜き出せ。
A8 人種・性別など集団間の不平等さえ是正されれば、あとは各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられている(から)。
Q9 その結果どのようなことが起こるのか。15字で抜き出せ。
A9 弱肉強食のルールが正当化される
「不平等が顕著な米国で、社会主義政党が育たなかった一因はそこにある」について、
Q10「社会主義政党」の役割を、本文から類推して記せ。
A10 平等な社会の実現を目指し社会を変革する運動を組織する。
Q11「そこ」とは何か。
A11 社会上昇は個人の才能と努力によるものだと信じられ、弱肉強食のルールが認められていること。
Q12 なぜそういえるのか。説明せよ。
A12 各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられるアメリカ社会では、不平等はあくまでも個人の責任であり、格差の原因を社会に求め変革しようとする運動は起こりえないから。
アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)
↓
集団間の不平等(人種・性別)の是正のみ
社会上昇……各人の才能と努力次第
↓
弱肉強食のルールが正当化
↓
不平等は個人の責任
パラドクス……逆説・矛盾
出来レース……はじめから勝敗が決められている、仕組まれた勝負事。八百長・茶番。
矛先……怒りや非難の方向
Q5「機会均等のパラドクス」とあるが、何をこう表現しているのか。40字以内で記せ。
A5 教育機会が均等になったにもかかわらず、かえって不平等は拡大化したという現実。
Q6「結果はあまり変わらない」のは、なぜか。その理由を述べた部分を抜き出せ。
A6 見かけ上は自由競争でも、実は出来レースだからだ
Q7「競争」とあるが、たとえば何を「競」うのか。この段落から二つ抜き出せ。
A7 出世・成功
a 戦前 庶民と金持ちが別々の学校に行くやり方
↑
↓
b 戦後 一律の学校制度
↓
結果は変わらない
一律の学校制度……平等な競争のようで、出来レース
a 貧乏→進学できない・出世を断念
↓
心理……不平等な社会の責任
↑
↓
b 自由競争→成功しなかった
↓
心理……自分の責任
③ 〈 アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)は、個人間の能力差には適用されない 〉。人種・性別など集団間の不平等さえ是正されれば、あとは各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられている。だからこそ、弱肉強食のルールが正当化される。〈 不平等が顕著な米国で、社会主義政党が育たなかった一因はそこにある 〉。
「アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)は、個人間の能力差には適用されない」について、
Q8「個人間の能力差には適用されない」のはなぜか。理由にあたる部分を「~から」につながるように抜き出せ。
A8 人種・性別など集団間の不平等さえ是正されれば、あとは各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられている(から)。
Q9 その結果どのようなことが起こるのか。15字で抜き出せ。
A9 弱肉強食のルールが正当化される
「不平等が顕著な米国で、社会主義政党が育たなかった一因はそこにある」について、
Q10「社会主義政党」の役割を、本文から類推して記せ。
A10 平等な社会の実現を目指し社会を変革する運動を組織する。
Q11「そこ」とは何か。
A11 社会上昇は個人の才能と努力によるものだと信じられ、弱肉強食のルールが認められていること。
Q12 なぜそういえるのか。説明せよ。
A12 各人の才能と努力次第で社会上昇が可能だと信じられるアメリカ社会では、不平等はあくまでも個人の責任であり、格差の原因を社会に求め変革しようとする運動は起こりえないから。
アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)
↓
集団間の不平等(人種・性別)の是正のみ
社会上昇……各人の才能と努力次第
↓
弱肉強食のルールが正当化
↓
不平等は個人の責任