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チャーリーとチョコレート工場 ソルト氏の工場の制服

「チャーリーとチョコレート工場」の5人の子供のうち、大金持ちの娘ベルーカ・ソルト(ジュリア・ウインター:サインを紹介済み)がゴールデンチケットを父親にねだり、父親が大量に買ったチョコレートの銀紙を自分の工場の従業員に剥かせるというシーンがある。そのシーンでは、従業員達がお揃いの制服を着ているのだが、これはその制服をあしらったコレクティブルである。本当にどうでも良いようなものなのだが、「チャーリーとチョコレート工場」という映画では、隅々までもが「デザイン」化された映像になっていて、この制服のデザインも何故か印象に残っている。このコレクティブルは、そうした画像を思い出させる効果があるようだ。
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後宮小説 酒見賢一

第1回ファンタジーノベル大賞受賞の本書。不謹慎な設定、軽妙でひとを食ったような文章、奇想天外のストーリーに、えもいわれない面白さがあふれている。他の本では味わったことのない新しい独特の小説という意味で、受賞作への期待に違わぬ快作だと思う。そもそも中国の歴史小説かと思って購入したのだが、読んでみたら、どうやら架空の国を舞台にしたいわば「中華風」の小説のようであった。中国の話といったら中国に失礼だろう。年号が書かれており、「中世」と「近世」のはざ間という時代が一応想定されているのだと思ったが、それもやがて自信が持てなくなり、こちらが勝手に「西暦」と思い込んでいるだけでなないかとも思えてきた。時代を決め付けたらその時代の人に失礼だ。といった具合に、場所も時代も「どこでもない」「いつでもない」とせざるを得ない不思議な小説だ。先に読んだ同じ作者の「聖母の部隊」とはかなり違う小説だが、小説としての面白さと作者の才能を感じる点には確かに共通点があると思われた。(「後宮小説」酒見賢一、新潮文庫)
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