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空想オルガン 初野晴

本書は、清水南高校吹奏楽部の部活動のなかでいろいろ巻き起こる大小さまざまな事件を、部員たちが解決していくというシリーズの3作目。前作までメンバー集めに苦労していた清水南高校の吹奏楽部だが、本書から、県大会予選・県大会・地区大会等、ようやく吹奏楽部らしい活動が始まった。私のような中年にとっては、吹奏楽部の活動の方はあまり興味が向かないのだが、そうしたマイナス要素を差し引いても本書のミステリー部分は面白いというか、話としてよく出来ていると思うし、登場人物のキャラクターとしての楽しさも味わえるので、つい読んでしまう。本書の中では「十の秘密」という作品が、なかなか凝っていていちばん楽しめた。(「空想オルガン」初野晴、角川書店)
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