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イスラエル 三井美奈 

直接ではないが若干仕事を通じてイスラエルの事が気にかかっていたところ、本屋さんで本書を見つけた。最近の新書には珍しく、本の題名がずばり「イスラエル」というのが良い。内容も、非常にオーソドックスで、最近ありがちなキャッチーな題名で、内容は読んでからのお楽しみというところがない。こうした本は、たまたますごい本に出会うというハプニングはないかもしれないが、読者の期待にしっかり応えてくれるので有難い。本書では、アメリカ国内におけるイスラエル・ロビーの実態、アメリカの対イスラエル政策の変遷などを記したところが圧巻。「アメリカ国内では数%のイスラエル人の権利を守ろうとする人々がイスラエルでは20%も住んでいるアラブ人の権利に無頓着になっている」というロビー活動を支える一般のアメリカ在住イスラエル人の葛藤など、大変考えさせられる内容だ。オバマ政権に対する見方も冷静で、偏りがなく、信頼性を感じさせる。(「イスラエル」三井美奈、新潮新書)
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