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ヨー・ヨー・マ サイン チェロ奏者

世界的なチェロ奏者、ヨー・ヨー・マのサイン。最近いろいろな分野の人のサインが作成されるようになってきたと書いたが、彼のサインもそうした流れの中で制作されたものの1つと言ってよいだろう。学生時代に、カザルスに憧れてチェロをやろうとして挫折した思い出がある者としては、チェロ奏者のサインを入手できるというのは大変嬉しいことだ。
 ソリストとして名前を知られたチェロ奏者というのは、それほど多くはいない。まず思いつくのは、それまで通奏低音を専門に担ってきたチェロという地味な楽器をソロで演奏する楽器に変革したパブロ・カザルス。それにリヒテル・オイストラッフとトリオを組んだロストロポーヴィッチ、天才と謳われながら病魔に倒れたジャクリーヌ・デュ・プレ、そしてこのヨー・ヨー・マのせいぜい4人くらいだろう。日本人の堤剛を入れても5人だ。もちろん他にもスターン・トリオのローズなどあと数名は名前をあげられるが、それらは大半が有名な三重奏団、四重奏団のメンバー、アンサンブルの一員であり、ソリストという感じはしない。もともと作曲家自身がチェロを主役にした楽曲を作曲しようという考えがほとんどなかったために、チェロ奏者が活躍できるクラシックの楽曲は数が少ない。チェロ奏者の演奏会を聞きに行っても、演奏される曲の多くは、他の楽器のために作られた曲のアレンジだ。チェロの独奏曲として有名なバッハの「無伴奏チェロソナタ」もカザルスが再発見しなければ、単なる練習曲として扱われ続けたと思われる。こうした状況のなかで、比較的チェロが活躍できるのが三重奏、四重奏であり、チェロ奏者は必然的にそうしたアンサンブルの中で活動せざるを得ない。こう考えると、ヨー・ヨー・マの世界的な成功というのは奇跡に近いことのように思える。
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