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殺人者たちの王 バリー・ライガ

アメリカで人気のシリーズの第2作。第1作目と同じく、稀代のシリアルキラーの息子の主人公が警察の捜査に協力して事件解決のあたるというストーリーだが、本編では「解決に向かう」どころか、事態は全く改善せず、むしろ謎はますます広がり、混迷度もさらに高まったまま終わってしまう。シリーズものでここまで混迷したままで終わるというのも珍しいような気がする。主人公が自らの出目にうじうじしているというのも相変わらずで、話の遅い展開に「はらはらどきどき」すると同時に「いらいら」してしまうのは私だけではないだろう。これも作者の意図なのだろうが、もう少し展開を早くしてくれないと読者としては気持ちがおさまらない気がする。巻末の解説で、完結篇の第3作の刊行が今年の5月と告知されているのがせめてもの救い。早く完結篇を出してくれと心から思わずにはいられない。(「殺人者たちの王」 バリー・ライガ、東京創元社)

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