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罪人よ安らかに眠れ 石持浅海

北海道が舞台で、登場人物が色々な訳有りという本書、何となく小説家「佐藤泰史」を思い出しながら読んだ。最近、特に北海道出身の作家が色々注目されているような気がする。内容は、佐藤泰志の作品とはまったく異なる謎解きを主眼とするミステリーで、いずれの短編も登場人物の身に起こった悲しい事件を、探偵役の人物が小さなヒントから鮮やかに解き明かすという内容だ。しかもその事件がとんでもなく悲惨で救いがない。その悲しさが何となく北海道の作家の作品に通じるような気がしたのだが、作者の経歴を見たら、北海道出身ではないとのこと。そうなると、本書の作者がどうして北海道を舞台に選んだのかが知りたくなる。こういう悲しい話には北海道がよく似合うという一般的な思いでもあるのだろうか。少し不思議な気がする。(「罪人よ安らかに眠れ」 石持浅海、角川書店)

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