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罪 カーリン・アルヴテーゲン

何だかよく判らないが、「北欧ミステリーの女王」としてすごく評判になっている作者の「衝撃のデビュー作」というキャッチフレーズに惹かれて、読んでみることにした。ミステリーとしても十分に面白いのだが、それ以上に、克明に描かれている主人公の内面や、その主人公に手を差し伸べる登場人物の描写が心に残る。巻末の解説に作者の言葉として、「自分のために書いた」というような記述がある。その分、娯楽性は少ないが、心理的に追い詰められた主人公がどのように救われていくかが、焦点になっている作品、まさに心理的に弱っている作者が自分のために書いたような気がして、そういう作品もありだろうなぁという気がした一冊だった。(「罪」 カーリン・アルヴテーゲン、小学館文庫)

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