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ぼくたち日本の味方です 内田樹・高橋源一郎

内田樹氏、高橋源一郎氏という2人の論客によるここ数年の対談を1冊にまとめた本書。内田樹氏が論客だということは知っていたが、高橋源一郎氏は小説家ということは知っていたが内田氏と本書のように対等に渡り合うような論客だということを初めて知った。テーマによっては、対等以上にユニークな指摘を披露してくれて驚かされた、という感じだ。本書に収められた対談が行われた時期が、東日本大震災を挟んでいて、震災前と震災後で微妙に対談の内容が変化しているのが、大変興味深い。震災の傷跡、人々の心に与えた影響を色々なところで見たり、気づいたりするたびに、自分はどうだったか。自分はどう考えたか、自分はどう変わったかなどと考えてしまう。この人は震災をこういう風にとらえたんだとつい考えてしまうし、他の人の震災体験を聞いたりすると妙に親近感がわいてきたりする。こういう本を読みながらも、まだまだ自分が震災を自分のなかで消化しきれていないことに気づかされる。(「ぼくたち日本の味方です」 内田樹・高橋源一郎、文春文庫)

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