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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 本谷有希子

初めて入った本屋さんで見つけた1冊。たまたま入ったら、ずっと探していた本が「お勧め本」として陳列されていて、何となくその本屋さんの感性を信じたくなり、別のお勧め本も何冊か買ってみようと思った。その時に買った別のお勧め本が本書。題名のおどろおどろしさが印象的だし、表紙も何だか問題作っぽい雰囲気が漂っていて、たまにはこうした本を読むのも良いのではないかと思い、読み始めた。主な登場人物は、女優を目指す女性とその妹、腹違いの兄と兄嫁という4人だが、皆癖があるというか心に問題を抱えている変わった人々だ。兄によるDVが平然と語られたかと思うと、兄嫁が突然エジプトに旅立ってしまったり、ストーリーとしてはかなりハチャメチャなのだが、読んでいて、何となくその世界に引き込まれてしまった。最後のどんでん返しにビックリしながら、登場人物四人の中で一番強いのは誰か、読む人によってそれぞれなんだろうなあと思いながら読み終えた。(「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 本谷有希子、講談社)

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