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バビロン2 野崎まど

シリーズ第2作目。第1作目で登場した謎の女性がいよいよ本格的に邪悪な牙をむく。作品全体を通したテーマは自殺あるいは安楽死に関する問題提起のようなのだが、そんな問題提起を無意味にしてしまうような凄惨な事件が次々に引き起こされる。主人公たちの戦いは、得体のしれない相手との戦いであり、本書では反撃の糸口すらも見えない。果たして次巻以降にその糸口は見つかるのだろうか。第1作で作者が見せた活字を使った驚くべき表現は、本書でもやや地味だが、最後に登場して読者の心を震撼させる。(「バビロン2」 野崎まど、講談社文庫)

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