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謎のイスラム教 島田裕巳

これまでイスラムの解説本を何冊も読んでいるが、どうしても分からないのがスンニ派とシーア派の違いと、何故両派が対立しているのかという点だ。解説本には、ムハンマドの死後のカリフの正統性を巡る対立というようなことが書かれているが、そうした教義とかに関係ないことがどうして1000年以上後まで対立の原因になっているのかが分からない。すでにカリフという存在がいなくなってしまっているのだから、もう争っても仕方ないのではないかと思うのだが。本書でもその点ははっきりとは書かれていないのがやや残念だったが、少しヒントを貰えた気がする。要は、誰がカリフであるべきかで行われる儀式が異なるということらしい。その他にも本書を読んで、イスラム教には組織というものがなく、宗教に基づく意思決定が信者個々人に委ねられているということに驚かされた。そういえば、最近のISのテロに関する犯行声明などを読んだ時の違和感はそういうことだったのかと納得した。(「なぞのイスラム教」 島田裕巳、宝島社新書)

 

 

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