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砕け散るところをみせてあげる 竹宮ゆゆこ

本書はネットで入手したのだが、どのような経緯でこの本に行き当たったのかよく覚えていない。普段は、書評誌で評判の良い本があると、ネット書店の「お気に入り」に登録しておき、本屋さんに行った際にそのお気に入りをみながら本を探す。本屋さんにない本がたまったら、ネット書店のサイトに行き、在庫があることを確認してから注文する。しかし、本書の場合、書評誌で見た記憶がない。そもそもこうした類の本をどうやって検索で見つけたのか、何故この本にたどり着いたのかが判らなくなってしまった。そんなこんなでどういう本か分からずに読んだのだが、読んだ結果は大変面白かった。著者については本書を読むまで知らなかったが、ライトノベルの世界では有名な作家とのこと。終盤になって、死んでいるはずの人が出てきてビックリしが、どうやら、最初から物語の語り手を感違いしていたらしい。作者が最初と最後に仕掛けた罠にまんまとひっかかってしまった。ネットで色々な人の感想を見ると、この仕掛けには、語り手が嘘をついているなど、色々な解釈があるらしい。通常の小説では、嘘ならば最後までに何らかの形でそれが明かされるはずなので、もしかしたらこれは、ライトノベルの読者独特の解釈なのかもしれない。自分としては、最初と最後の仕掛けがなくても十分面白かったので、そのあたりは読者の好きずき、判断に任せられているということだと納得した。あとは、題名の意味だが、これもどう解釈するかは読者1人1人に委ねられていると言って良いだろう。自分としては、登場人物が当たって砕けろの精神で頑張る姿を込めた良い題名だと思うし、感覚的に大変良い題名だと思う。(「砕け散るところをみせてあげる」 竹宮ゆゆこ、新潮文庫)

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