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韓国は裏切る 室谷克実

こういう韓国批判の本が本屋さんにあふれている。隣人たる韓国との何となくぎくしゃくした関係を意識し、どちら寄りかを鮮明にした物言いには違和感を覚えつつ、何も言えない自分にももやもやしたものを感じる。そうしたなかでできることは、関連した知識をできるだけ吸収し、考える材料を豊富に手にすることだと思い、そうした本を読み続ける。しかし、本屋さんには圧倒的に韓国を貶めて溜飲を下げるだけの本が多いので、そこから得られる知識に偏りが生じる。それを意識するので、ますます自分の態度に自信が持てなくなる。本書もそうした一冊だが、とにかくその情報量の多さに驚かされる。1つのことをテーマにして長年研究を続けている著者ならではの話題の豊富さと同時に、それを淀みなく畳み掛けるように披露していく巧みな語り口はなんだか一種の名人芸を見ているような感じだ。また、最後の章の50年以上に及ぶ好きな国/嫌いな国のデータによる分析も面白かった。(「韓国は裏切る」 室谷克実、新潮新書)

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