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宇宙エレベーター 佐藤実

宇宙エレベーターについては、何十年も前に読んだアーサー・C・クラークのSF作品の中でそのアイデアが紹介されていて知っていたが、最近、カーボンナノチューブの発明などによって、ようやく現実の技術がその可能性を吟味できるところまで進歩して来たらしい。本書は、そうした宇宙エレベーターの現時点で残された技術的な課題や制度上の問題点を判りやすく解説してくれる一冊だ。エレベーターを支えるロープの重量に関する課題、エレベーターへのエネルギーの伝達方法、稼働後のメンテナンスから、老朽化した後の廃棄方法にまで話が及んでいて、とても面白かった。結論としては、自分が生きている間に宇宙エレベーターに乗ることは出来ないようだが、それでも想像するだけで楽しい内容を満喫した。(「宇宙エレベーター」 佐藤実、祥伝社新書)

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