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宇宙は数式でできている 須藤靖

久しぶりに読む宇宙論の一冊。「数式でできている」と言うと分かりづらいが、要は「この宇宙には数式で記述可能な法則がある」「宇宙の研究者はその法則を見つけたり修正したりするために研究をしている」ということを分かりやすく解説してくれる内容だ。分かりやすいと言うのは、自分にとっては、内容がこの本の主張に不必要な量子論の世界には敢えて踏み込まずアインシュタインの一般相対論までの範囲で解説してくれているからという点に大きく依存していて、スッキリとした答えがないという意味では決して分かりやすくはなかった。ニュートンの万有引力の法則では、「重力は距離の2乗に逆比例する」となっているが、なぜ微視的な素粒子の世界から巨視的な宇宙の世界まで同じ法則が通用するのか、なぜ3乗や2.5乗ではなくぴったり2乗なのか、言われてみれば不思議というしかないし、更に、法則とはいつどうしてそのように決まって、どこまでが適用範囲なのかなど、不思議に思えることには際限がない。科学の世界は観測した結果を最もうまく説明する数式という法則を発見する作業だ。本書で一番面白かったのは、ニュートン力学では説明できない観測結果を説明するためにアインシュタインが一般相対論を提唱するのだが、その時前述の万有引力の法則を2乗ではなく2.00000016乗にするとうまく説明できるという説があったという件だ。他の科学者は「それでは美しくない」とまともに取り上げなかったそうだが、個人的にはそっちの方がむしろ神秘的というかその後の科学の混乱が科学の進歩に貢献したりして楽しかったんじゃないかと思えて笑えた。(「宇宙は数式でできている」 須藤靖、朝日新書)
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