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7人の中にいる 今邑彩

ある日軽井沢のペンションに、昔そのペンションのオーナーが関わった凶悪事件を断罪し復讐を予告する旨の手紙が届く。犯行予告まで2日。それぞれいわくのありそうなペンションの逗留客7名の中の誰が出した手紙なのか、その目的は何なのか、限られた手がかりを元に試行錯誤しながら徐々に真相が明らかになっていく。探偵役の登場人物がようやく突き止めた真相を口にする直前にテレホンカードの度数がゼロになってその直後に交通事故に遭ってしまうところなどやや出来過ぎ感はあるものの、理詰めで解き明かされていく謎の一つ一つが楽しめるミステリーだ。犯人は何となく最初の方で分かってしまいあまり意外感はなかったが、むしろ主人公が過去に犯した罪の凶悪さから予想されるのとはかなり違う結末にちょっと驚かされた。(「7人の中にいる」今邑彩、中公文庫)
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