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看守の信念 城山真一

シリーズ2作目。前作同様、懲罰の場であると同時に更生の場でもある刑務所の内外で起きる事件を巡る5つのミステリー短編集。一つの犯罪の加害者、被害者、事件後の関係者の事情は様々で、刑務所の刑務官はそうした個別性を考えながら懲罰と更生を両立させることに使命を持って取り組む。さらに考慮しなければいけない要素として個人情報の保護、刑務所のルールや人間関係なども絡んでくる。そうした複雑な事情の中で最良の解決方法を模索する登場人物の活躍が感動的だ。前作では最後に明かされる事実にびっくりさせられたが、本作ではそれと同じくらいびっくりのサプライズが用意されていた。本書を推薦する書評誌に「順番通りに読もう」という趣旨のことが書いてあったが、シリーズを順番通り読んでいて本当に良かったと心底思った。(「看守の信念」 城山真一、宝島社)
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