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回樹 斜線堂有紀

著者の本は2冊目。帯には「著者初のSF短編集」とあり、前に読んだミステリー作品とはかなり印象の違う内容。死体を飲み込む物体が突如出現したり、骨へのタトゥーが流行する社会だったり、100年経つと名作映画が上映禁止になる世界だったり、人種差別が激しかったアメリカで緑色の肌の宇宙人が登場したりと、奇想天外な着想から動き出す物語は、何故かものすごく説得力がある。ミステリー、SFと幅広いジャンルの作家という感じだが、前に読んだミステリーと重ね合わせて考えると、この作家の作品には色々な角度から「死」というものを見つめ直すという共通点があるように感じた。まだ未読の作品も多いのでこれからが楽しみだ。(「回樹」 斜線堂有紀、早川書房)
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