goo

成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈

久し振りに明るくて楽しい小説を読んだ気がする。閉店間近のデパートに通い詰めたり、M1グランプリに出場したり、丸坊主になったりと、かなり破天荒だが信念を持って色々なことに挑戦する主人公。それを正面から支える幼馴染、距離を置きつつも影響を与え合う友人などが織りなす物語は、これまでに読んだことのないような爽快感と何かに挑戦する勇気を与えてくれる。人間1人の力は微力かもしれないが、それが放つ光によって照らされる周辺へのプラスの効果は大きいはずという信念が著者の文章には溢れている気がした。続編を期待したいが、是非このまま明るい内容で続けて欲しい。(「成瀬は天下を取りにいく」 宮島未奈、新潮社)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )