先日、映画「新聞記者」を見た。どうも新聞記者の映画ではなかったような、…。
この國が公安国家であることを告げた内容だった。かつて小さな政府の関連で警察国家というのがあったが、それは巡査国家で、日常の安全しかやらない小さな政府の例証でもあった。
現在の此の國は公安警察が国の骨格を握る政府官邸ということだろう。
総理大臣が政治家というラジオに成って官僚の書いたモノを読む。その政策に反対する反政府分子をいち早く公安刑事が捕捉し、その人間の生活の根幹を、役人なら人事で、有名人ならマスコミで、企業なら商売でコントロール(統制)していく、と云いたいのであろう。
その真意でこの映画を見ると、前川さんが風俗に行ったことを読売新聞に書かせた例証が浮かび上がってくる。まさに元警察官僚の杉田氏の手腕であろう。
今も警察出身の栗生氏が官房副長官を務めているから、アベ・スガ体制をそのまま踏襲しているというより、もう既に公安国家に成っていて、自民党世襲政治家はその手の裡でしか政治家の顔を作れないのだろう。
色々考えさせられる映画でもあり、現実に近い内閣情報調査室(「内庁」…変換間違いだが、この方が良いかも、実際は「内調」)の姿が敢えてああいう霧のような画面で撮ったのだが、全景の国会の映像まで霧の中にあるように見えてくる。
2019年作品、主演はシム・ウンギョン・松坂桃李、監督は藤井道人、原案は望月衣塑子。
・・・何だろう?これは映画ではなく、本当は新聞で書くべきモノかもしれない。
輪転機が特ダネを絶対に止められない速さで刷り上げ、各販売店に、各家庭の郵便受けに、誰も止められないほど国中に拡散していく。その20世紀的「文化武器」は、21世紀の今、どこに逝ったのであろうか。