真珠湾奇襲から丸二年、1943(昭和18)年12月8日、清沢が「大戦争2周年、新聞もラジオも個々の追憶やら、鼓舞やらで一杯だ。国民はまだ戦い足らぬことである。」と書いている。
その4日前の12月4日、「戦争後、華族が増し、プロモーションがあり、金鵄勲章が増える。…これを全廃すれば、それをもらうために戦争を目がける者がなくなろう。…実際他の国民が犠牲だけ払うのに官吏・軍人だけが利益を得る、…」とある。
この戦争の目的で同じようなことを、言っていた人がいる。
戦後、半藤一利が「日露戦争後、男爵以上になった軍人は陸軍65名、海軍35名の合計100名の大番振る舞い。…やはり勲章欲しさじゃないですか…」と。
差し詰め、この国は今戦争をやって、或いは戦争に関わって、誰が利益を得るのだろうか。
現在は、自衛隊の元高官や笹川財団、防衛研究所の研究員がテレビに出る出演料程度だ。
戦争で利益を得るのは、日本の軍需産業か、いや儲かる程ではあるまい。
たぶんアメリカの産軍共同体ではないだろうか。
とすれば、アメリカ大使館→キハラ→キシダ→麻生の「がん発言」に繋がるのだろうか。
【引用文献:清沢冽『暗黒日記』岩波文庫、『昭和史の論点』文芸春秋】