少し前のことだが、海軍関係の本を読んでいて次の表に出くわした。
初めは何も感じなかったが、海相が国際会議に行った時の事務管理者の欄【(管)の印】を眺めていて、内田康哉に目が行った。彼は外務大臣しかやっていない、他は総理大臣経験者なのである。(注、大山と加藤は(兼)である。)
内田が襲われることはよくある。調べれば、2・26事件でも襲撃対象で、高橋是清はその時死んだ。もう一度、(管)印の海相事務管理者を見ると、内田以外には、原敬、高橋是清、浜口雄幸である。高橋以外は既に2・26事件以前に暗殺されている。
これをどう見るか、…。軍人の場所に足を一歩でも踏み入れた文官たちの抹殺と見ることもできる。あるいは、軍や戦争に立ち向かった政治家は暗殺されるということなのか。
先の戦争は15年戦争と見れば、満州事変以降は陸軍が起こしたが、日米戦争は海軍が動かなければ成立しない。
陸軍が悪役で、海軍はその逆であったような。だが、開戦8箇月前に伏見宮軍令部総長が辞めたが、この方の意思を抜きに永野軍令部総長は誕生しない。
とすれば、何か別の角度から見えてくるモノがある。今そのことが頭に引っ掛かっている、…。