玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

あの時の失政

2022-07-22 19:08:30 | 愚痴

後から考えて、あの時に大きく間違えたと思うことがある。

それは随分と昔のことだが、…。

私が大学に入るころは、公立高校を落ちた人たち、或いは、希望の公立高校に入れない人たちが私立高校を選んでいた時代であった。

当時は麻布も開成も東大合格者は日比谷・西の後塵を拝していた。

不思議だが、そんな時代があった。ということは貧乏人の子供でも頭が良いか、並外れた努力をすれば、東大に行けた時代があったのである。

それが或る時、新聞が、受験競争が厳しいから自殺者が出たとか騒ぎだし、天野貞祐とかいう偉い人が中心となって、都立高校の入試を学校群制に変更し、希望の高校に必ずしも入れないようにし、都立高の加熱した受験競争を止めて、旧府立系の進学高の平準化を進めた。一見、民主的かのように見えた。この学校群制は千葉県や愛知県など数県にも波及した。

結果どうなったか、都立高の受験熱は冷めたが、麻布、開成、灘、ラサールなどに優秀な者が集まり、全国の私立校が東大入学者の上位を占めるようになった。

都立高は押しなべて、進学校から誰でも行ける普通の高校に滑り落ちた。

その後、東大の学生の方が早慶の学生よりも家庭収入が高いというニュースがあった。つまりは東大が潤沢に受験準備に投資できる金持ちの子供の行く大学になってしまったようなのだ。

それが理由ではないだろうが、近頃の官僚の金へのこだわり、金への執着、天下りへの忖度が目に余る。天下りを含めた生涯賃金で今までの教育経費を取り戻そうとしていると疑ってしまうほど、倫理観の喪失が窺える。

公共の事、国民を、国家を考える人材の養成が官僚予備校である東大の使命ではないのか。もう優秀な官僚ではなく、民間と変わらぬ私欲や出世の為に官僚をやっている人ばかりになれば、もう東大の存在価値がないのではないか。

振り返れば、あの時に安い授業料で優秀な人材を育てる都立高を潰させた。要は、公平で平等な教育行政を破滅させた失敗は、今もこの國の教育を歪めている原因にもなっている。

その底意にあるのは、経営に貧した私立学校側が自民党筋を動かした結果の歪んだ教育改革ではなかったのか、と疑問視している。

現在は、都立校や神奈川の公立校も総合高校などを造り、大学進学にも熱心になったようだが、今また、私企業の請負による英語の聞き取り試験の導入などと云うと、・・・。

また、政治が邪魔をして、教育分野を荒廃させていくことを危惧する。それを進めているのは、自民党教育族の誰だろうか。

豆大福と云えば、東京の「岡埜榮泉」、湘南では「伊勢屋」?

あくまでも、個人の私感ですが。

 

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団子と稲荷寿司

2022-07-21 17:14:57 | 食べ物

かれこれ三十数年前、東京からこの湘南の地に引っ越してきたとき、街を歩いていて気が付いたことは、やけに和菓子屋と古本屋が多かったことだ。

あれから、古本屋はブック・オフに変わり、和菓子屋はずいぶんと減った。今では近くにほとんど残っていない。

鵠沼海岸の和菓子屋は海に行った帰りに買いに行けば、必ず一個か二個おまけしてくれた。その店も10年前ぐらい前に廃業した。

私は団子が好きだ。スーパーでは、3本入りのみたらし、あんこ、どちらでも100円前後で買えるが…。

此処のだんごは1本60円だけど、自電車に乗って態々買いに行く。ここの稲荷寿司も好きだ。

何故美味しいのだろうと思ったら、稲荷寿司を口に入れた時に昭和の味がしたんだ。

コンビニにも、スーパーにも、あたり前に団子や稲荷寿司はあるけど、どうも人の手で作っていない感じがする。何よりも昭和の味じゃないしね。

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新自由主義の伝道師

2022-07-20 14:01:47 | ブツブツ

小泉政権の時に、何処からか「タケナカ」という人が出現して、この國の新自由主義の伝道師のような役目を負った。

あの時は気が付かなかったが、彼はどうも日本を愛する人ではなく、どっかの国から派遣された単なる口八丁の伝道師だったような気がする。

今でも、この國の国民生活を特に雇用の面で蝕んでいる非正規、派遣と云った病原菌を植え付けたようである。

あのような人物を簡単に信用する小泉政権以降の自民党という政党の危機意識を疑う。その原因は世襲議員が増えたからであろうか。それとも、此の國の宗主国から押し付けられた人材なのだろうか?

今や、大阪では、あの方の関係する「パソナ」の人材派遣によって、随分と役所の仕事の民営化が進んでいると聞いた。その弊害が出ていないだろうか。どうも本人は逃げ出すようだが!

そう言えば、維新の大阪市は水道を民営化するとか、という記事を見た。

外国での失敗例を考えると、怖い話だと思う。今のところは老朽管の取り換えで頓挫してるというから、少し安心しているけど。

成長しない経済社会で、何が何でも「改革」を唱えれば、それは単にコスト・カッターでしかない。でも、命の水はやめた方がよい、と思う。

年取って肌に脂がなくって、スマホも反応しない。

そこで、いまこれを愛用している。手、足、頭、全部これで良しだ。

昔ながらの古いものにも、良いものがある。

 

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壊れかけの自民党

2022-07-19 12:55:24 | 政治

そういえば、小泉純一郎は「自民党ぶっ壊す!」と云って、自民党員選挙で総裁に当選をした。

結果としては、彼は自民党の清和会以外の宏池会や旧田中派系を壊そうとしただけだった。

あの時に、本来の懐の深い、右から左まで複合した、国民政党と云われた「自由民主党」は、岸、福田をルーツとする「清和会系自民党」に変貌していたのだ。

まさか、国葬をやって安倍氏を神格化して宗教政党にでもなろうとしているのか?

別に国葬やっても構わないけど、現状の政治の安っぽさは変わらない。それでも、きっと何か壊れる、何か歪んでくるような気がする。

それに、岸田首相にしてはあまり早い決断だった。彼一人で決めた訳ではあるまい。

多分、麻生か茂木の「国葬でなければ、安倍派が収まらない」とかの入れ知恵か、或いは、統一教会に関わる自民党議員があまりに多く、お清めの意味で国葬を求めているとしか見えない。

下手をすると、これで岸田政権が潰れて自民党政権の屋台骨がぐらつくことに成りやしないか。

兎も角、永田町が余震で揺れている。善悪や功罪は一旦横において、安倍さんというヒトは、自民党という世界の「唯一の権力者」だったのかなという感がする。

この際、安倍氏の逝去を機に、自民党はもう一度その在り方を考えた方がよいと思う。

五・一五事件、この時の犬養毅首相は党葬だった。葬儀委員長は高橋是清。せめて国葬に準ずる式にしておけば、…。

それから4年後、二・二六事件で高橋蔵相も暗殺された。戦前の暗い時代だ。戦後レジームからの脱却ではなく、「戦前への回帰」にならないように願っている。

 

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修正史観と釈明史観

2022-07-18 19:30:15 | 歴史

歴史修正主義と云うと、どうしても、日中戦争時の南京虐殺は何十万という犠牲者数の証拠がないから民間人虐殺事件は無かった、従軍慰安婦は軍が無理矢理連れて行ったという証拠がないから従軍という文字を削る、関東大震災時の朝鮮人虐殺は無いから自治体の長として追悼文は送らない、という立場の考え方が一足飛びに思い浮かぶ。

歴史を自虐史観から離れて、新しい教科書を創ろうということも、修正史観の類似というふうに見えてしまう。それを言うと、また攻撃する人たちもいるかもしれないが。それらはひとまず横に置いておいて、―

『ルーズベルトの開戦責任』草思社の文庫版の翻訳者の前書きにでは、― 歴史修正主義史観の本質は、日本やドイツの枢軸国の擁護にあるのではない。ルーズベルトやチャーチルの外交を分析にそこにまちがいがなかったかと疑うことにある。―と翻訳者の渡辺惣樹は云う。

とかくこの圀の翻訳語は難しい。

また「先の大戦で日独の枢軸国がベルサイユ体制を破壊し、世界覇権を求める“極悪”の全体主義国家であり、その野望を叩きのめす外交を進めたルーズベルトやチャーチルが“絶対善”」となり、「ヒトラーや東條英機が“極悪人”となる」というような正統な歴史観にたつ歴史家は、一度不都合な事件や発言に触れると釈明に終始せざる得なくなる、と。こうした歴史観を「釈明史観主義」とフーバーは軽蔑したそうである。

此の圀の翻訳文化という線上での不確かな動揺とか、翻訳された概念の日本語化の難しさを感じないではいられない。

また他方では、「歴史修正主義」というレッテル貼りの戦いにばかりに躍起になって、実際は何が歴史の真実かの議論が広く行われていないことを憂う。

伊勢佐木町の古い映画館が潰れた…。コロナではないとのこと。

(「ニュー・テアトル」2018・6・1閉館)

 

 

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