今話題のMalcom GladwellのOutliersを図書館で借り、最初の数章読んでみる。
まず「マタイの法則」Matthew Effectという社会学者の言葉で、院で受講したライフコースの授業を思い出す。これは聖書のマタイの福音書の聖句(持っている人はますます与えられて豊かになり、逆に持たない人はますます貧しくなるという内容)を借り、恵まれている人とそうじゃない人の差がどのように大きくなっていくかということを説明した理論。
ということで最初の数章は、人の人生が歴史のどの出来事にどういうタイミングで出会うかに大きく左右されるかというライフコースの理論の一例。フレームワークとしては決して新しいものではないが、スポーツ選手やIT産業のリーダーなどの例の挙げ方は読み手のツボをついていて、思わず引き込まれる。
ところでこのライフコースの第一人者のエルダーの有名な研究が、大恐慌の時に幼児だったグループと青少年だったグループが、その後どういう人生を歩んでいったのか40年間それぞれ追跡調査した研究。非常に示唆に富んでいて、とにかく面白い!
私は社会学者じゃないので、すべて聞きかじりの知識しかないが、最近では9.11に出会った人たちの人生がどのように変わったのかという家族社会研究も行われているらしい。特に家族のつながりの深さ、将来の計画などがどのように変わったのかについて、ライフコースのテキストなどでも事例が紹介されている。
話はもとに戻って、Outliersの最初の章は、生まれ月とホッケーの一軍選手として活躍する確立との関係。これは日本の親の感覚ではなかなかぴんとこないが、アメリカに住んでいるとズキンとくるものがあるような気がする。
たとえば、キンダーガーデンにいつ入学させるかというのは、生まれ月が微妙な場合(州によって異なるが例えば7,8月)、親の主導権でその子どもの運命がかなり変わってくる。うちの上の子の場合、障害児だったこともあり、8月という誕生日で、早く入学させるよりも遅く入学させることを選び、他のクラスの子どもたちに比べてほぼ一番月齢が大きいという中でのスタートとする。しかし考えてみれば、そのために皆についていくのも楽だったし、だんだん力を伸ばして、今ではかなりの好成績を修め、学校も気に入っている。しかしもし、無理して1年早く入学させていれば、ついていけずに、落ちこぼれの小中学生活を送ったかもしれない。
しかしこれには個人差があり、一年早めることがプラスに働く子どももいればそうでない子どももいるので、親にとっては一つの賭け。このOutliersはそういった意味で親や教育者のヒントにもなりそうだし、自己啓発書というよりは教育書のように感じたというのが第一印象(まだ3章しか読んでいないので、今のところの感想です)。
まず「マタイの法則」Matthew Effectという社会学者の言葉で、院で受講したライフコースの授業を思い出す。これは聖書のマタイの福音書の聖句(持っている人はますます与えられて豊かになり、逆に持たない人はますます貧しくなるという内容)を借り、恵まれている人とそうじゃない人の差がどのように大きくなっていくかということを説明した理論。
ということで最初の数章は、人の人生が歴史のどの出来事にどういうタイミングで出会うかに大きく左右されるかというライフコースの理論の一例。フレームワークとしては決して新しいものではないが、スポーツ選手やIT産業のリーダーなどの例の挙げ方は読み手のツボをついていて、思わず引き込まれる。
ところでこのライフコースの第一人者のエルダーの有名な研究が、大恐慌の時に幼児だったグループと青少年だったグループが、その後どういう人生を歩んでいったのか40年間それぞれ追跡調査した研究。非常に示唆に富んでいて、とにかく面白い!
私は社会学者じゃないので、すべて聞きかじりの知識しかないが、最近では9.11に出会った人たちの人生がどのように変わったのかという家族社会研究も行われているらしい。特に家族のつながりの深さ、将来の計画などがどのように変わったのかについて、ライフコースのテキストなどでも事例が紹介されている。
話はもとに戻って、Outliersの最初の章は、生まれ月とホッケーの一軍選手として活躍する確立との関係。これは日本の親の感覚ではなかなかぴんとこないが、アメリカに住んでいるとズキンとくるものがあるような気がする。
たとえば、キンダーガーデンにいつ入学させるかというのは、生まれ月が微妙な場合(州によって異なるが例えば7,8月)、親の主導権でその子どもの運命がかなり変わってくる。うちの上の子の場合、障害児だったこともあり、8月という誕生日で、早く入学させるよりも遅く入学させることを選び、他のクラスの子どもたちに比べてほぼ一番月齢が大きいという中でのスタートとする。しかし考えてみれば、そのために皆についていくのも楽だったし、だんだん力を伸ばして、今ではかなりの好成績を修め、学校も気に入っている。しかしもし、無理して1年早く入学させていれば、ついていけずに、落ちこぼれの小中学生活を送ったかもしれない。
しかしこれには個人差があり、一年早めることがプラスに働く子どももいればそうでない子どももいるので、親にとっては一つの賭け。このOutliersはそういった意味で親や教育者のヒントにもなりそうだし、自己啓発書というよりは教育書のように感じたというのが第一印象(まだ3章しか読んでいないので、今のところの感想です)。