宙組に配属になり、3番手のポジションを獲得したあなたは
順風漫歩のスタートを切ったかのように見えました。
でもそれが違っていた事は・・すぐにわかりました。
姿月あさとお披露目公演「エクスカリバー」の吟遊詩人では早々に役柄と
本人のキャラクターの違いに評価は散々
次の「エリザベート」のルキーニも、声が高すぎる欠点がモロみえ。
本来ならフランツ・ヨーゼフ役者だったのに・・・フィナーレの軍服姿の
美しさにため息をつきながらも役柄に恵まれない事が悔しかった
その後も代表作に恵まれることなく、2001年の新専科制度で専科入り
(評判がよかった朝海ひかるとの共演作「月夜のウタゴエ」はパクリ騒動に
巻き込まれてビデオも出ず、作品自体が抹殺されてしまいました)
専科配属直後には「猛き黄金の国」「パッサージュ」に出演直後に
「ベルサイユのばら2001」にアンドレで特出など、さらに外部出演も
あり、いいようにこき使われてきたような印象もあります。
あなたも宙組から専科の時代は、ちょっとふてくされているように
見えましたよね。テレビのトークでもつまんないコメントばかりだし、
お茶会でもあまりファンに優しいとはいえないような・・・
(人それぞれ受け止め方があるとは思いますが)
大劇場作品に出されたと思ったら東京に行かずに別の作品に出演
させられたり、外部出演でいきなり女役をふられたり、
下級生が先にトップになってしまったり・・・・一時は本当にトップになれずに
退団するのではないかと思っていました
あの頃の専科生の扱いのひどさは目に余りましたものね
星組も、新専科制度のあおりをうけて絵麻緒ゆうと香寿たつきのトレード
があり、お互いの組ファンが反目しあったこともありました
それぞれ育った組のカラーというものを色濃く残していた二人は
どうにも落下傘のように与えられた組のトップには向かなかったようです。
それを見守るファンの心の中にもちょっと辛いものがあって・・・
だから、いきなり香寿たつきの後を受けて星のトップにあなたが就任した
時は、本当にびっくりしたし、嬉しかった
そういえば、星組にいた頃のあなたはまだ青々とした若手だったのに
「ベルサイユのばら2001」で稔幸の隣で堂々と相手役を演じている
あなたを見たとき、「大きくなって戻って来たんだね」と微笑ましく思った
ものでした。
そのあなたが、今度は本当に星組のトップとして返り咲いてくれた・・・
私の大好きだった頃の、技術的にはちょっと下手かもしれないけど
星組ならではのツーといえばカーの掛け合い、ファンサービスのすごさを
肌で感じる度に幸せを分けてもらいました。
あなた自身もトップになった途端、つき物が落ちたように明るくなって
水を得た魚のように生き生きと輝き始めたのでした。
素晴らしい長身の持ち主。どんなにごてごてしたコスチュームでも
あっさりと着こなしてしまう容姿。
持ち前の育ちのよさと明るさで、宝塚らしい夢の世界を提供してくれました。
そうそう、「王家に捧ぐ歌」東京公演のフィナーレ近く、
檀れいとのデュエットダンスシーンで、檀ちゃんが転んでひっくり返った
事がありましたよねーー
あの時、めちゃくちゃになっダンスをひとしきり踊り終わり、ほっとした顔で
檀ちゃんを抱きしめるあなたを見たとき、愛おしさがこみ上げてきました。
あなたを見ていると、いつも娘役の気持ちになって舞台を見つめる事が
出来ました。
本当に、本当にありがとう。
あなたがいない星組の行く末がどんな風になっていくのか
不安は募りますが、今は考えないようにしています
そして、あなたの今後は学業を始めるとか。
新しいスタートですね。
どんなことでも、あの新専科制度の混乱期を乗り越えたあなただから
きっと大丈夫だと思います 信じています。
幸せになってください。これからの長い人生を充実したものにして下さい。
あなたが心から人生を楽しみ、自己実現してくれることで、
ファンの心の中にはヅカ時代の思い出が美しく残るのですから