宝塚人気が下火になって来たんだなあ・・・と思うのは、関連本が
あまり出なくなったということで。青弓社の「アカデミア」に書いていた
人達がそろって移った「宝塚プラス」(小学館)は全然出ませんしね。
もう、評論する時代じゃないのかもしれません
(なんせ、一人トップになったら「いつ辞めるの?次は誰?」って
そればかり考えるファンが多くなったもので)
宝塚イズム4 (青弓社)
特集・・・さよなら彩乃かなみ
青弓社さん、また褒め殺しをやってしまいましたね。そういうのは駄目って
言ってるのに。サヨナラだからって褒めりゃいいってもんじゃないでしょう。
大越アイコさんの「彩乃かなみといえば瀬奈じゅんとの名コンビぶりを
抜きには語れない。近年の和央ようかと花總まりという稀代のコンビ
に比べても遜色がない」
の一文にドタっ
本当にそう思っていたファンって一体どれくらいいると思います?
私の回りでは・・・ごにょごにょ・・水夏希との方がよかったのではないか
という意見が多数ありましたけど。
他の方達もとりあえず「包容力と自立性のある娘役」と称えつつ
「封印されたスター性」もあった事は確かとも。
瀬奈と彩乃がプライベートでどれ程仲良しなのかは知りませんが、
少なくともこの二人は切磋琢磨するコンビではなかったと思います。
(確かに和央・花總みたいにお互いの中でのみ楽しんでるコンビと
言えばそうかも・・元々外から来た二人だし)
やっぱり彩乃を語るならFNS音楽祭の「千の風になって」
じゃないかと。いわゆる「娘役」というより素晴らしいボーカリストで
あったという側面の方が強いのでは?
それに宙組での不遇時代をもっと書いてあげなきゃ
(まあ・・「鳳凰伝」のタマルはよかったけどさ。最後まで出雲さんに
エトワールを奪われ続けた可哀想な娘役だったとか)
書き手が誰もかれも一様に「稀代の・・・」「・・・トップコンビとして斬新」
なんて書くと、舞台を見てきた人達はちょっと引いてしまうと思います。
だってこの二人の代表作ってなに?
「アーネスト」?(私は樹里&遠野のほうがいいと思ったわ)
「マジシャンの憂鬱」?・・・代表作と言えるほどの作品か?
「ミーアンドマイガール」?まさかね・・・でもサリーの評価はここでは
やたら高い。それも一般庶民と感覚が剥離して感じました。
小特集・・・私の思い出のサヨナラ
ここは読み甲斐がないっていうか・・・思い出を語るならきちんと
スターの名前くらい出してよね。
「喪失の意味」「サヨナラのを考察する」と大仰なタイトルの割には
中で語られている事が論ではなく感想に留まっていること。
ならやっぱり田中マリコさんが書いた方が読み応えがあると思います。
(レビュパレで昔私が書いた「サヨナラは死という概念」の方が・・と
言ってみたりする)
こういうのは男役トップのサヨナラの時にでも載せた方がいいんじゃない?
OGへのロングインタビュー・・・樹里咲穂
公演評・・・
結局、書き手がほとんど関西出身、関西の大学出。
そうかーーまるで早稲田の同人誌「夢の花束」を思わせるのね。
そうだと割り切って読めばそれなりに面白いのかもしれないけど
評論するにあたってのポリシーが見えて来ない、それから
抗議が来るのがいやで柔らかな表現が多いということに
ちょっと疑問を感じるんですね
言葉をうまく使うことは大切だと思うけど、自信があるならもっと的確な
表現法を用いてほしいと思いました。