来年の宝塚のラインナップを見て少々驚きました。
花組、柚香光主演で「鴛鴦歌合戦」をやるんですって
って、全然知らない作品ですけど。
脚本は小柳奈緒子だそうで、恐らく「今夜、ロマンス劇場で」で色々調べたら出て来た歴史じゃないかなと思ってます。
「鴛鴦歌合戦」マキノ正博作品で1939年に上映されたそうです。
1939年って昭和14年ですよ。
といっても若い人にはピンとこない年ですよね。
(いや、私だってピンとこないんだけどさ)
太平洋戦争が始まるのが1941年。1939年ってドイツがポーランドに侵攻した・・いわゆる第二次世界大戦がはじまった年です。
それだけじゃないですよ。
「NEVER SAY GOODBYE」の時代でもあったわけです。
そんな年に、いわゆる和製オペレッタという楽しい映画作品を作るっていうのが何とも日本らしいなと思います。
実は昭和12年頃から宝塚でも戦時体制に入っており、作品はどんどん戦時色が強くなっていくし、広告もそういう感じです。まさに日中戦争の真っただ中。
今は契約してないけど、昔、衛星劇場を見る事が出来た時、むさぼるように戦前の映画を見まくった時があるんです。
以前にも書いたけど、戦前、特に昭和に入ってからの恋愛映画は韓国ドラマも真っ青の愛憎劇が渦巻き、上原謙や長谷川一夫などが甘い恋を囁いていた時代です。
ストーリー的にも戦前の映画の方がドラマチックでのめり込む感じで私は好きです。
そして日本はレビューもすごく盛んな国で、宝塚は勿論、OSKもあり、日活レビューもあり、あっちこっちでダンスや歌が披露され、それが映画になったりしてたんですね。
戦後すぐ、本当に昭和20年か21年にレビュー映画が制作されていて、「あんなにひどい経験をしたのに、こんなに朗らかなレビュー映画を作るのか?」と驚いた記憶があります。
日本人はどんな事があってもどこまでも前向きな国民性なんだと思った記憶があります。
小柳奈緒子が戦前のレビュー映画をどのように脚色するのか楽しみでもありますが、主役コンビが仲良しでほのぼのするような作品にしてほしいなと思います。
(片岡千恵蔵は「大岡越前」の御前と呼ばれたパパ。二枚目俳優だったと知った時はお驚きました)
ところで、この映画を撮った監督マキノ正博と宝塚は因縁の関係です。
なぜなら彼の配偶者は轟夕起子だからです。
確か宝塚の殿堂にも彼女の写真があるんじゃなかったっけ?
私が思う宝塚史上最も美しい娘役です。
しかし、彼女は昭和12年に突如退団します。
しかも、いきなり日活に移籍したんですね。
その頃、宝塚は「宝塚映画」という会社を持っていて、OGなどはそっちへ行くのが当たり前。
ライバル会社に行くなんてとんでもない事だったんです。
宝塚から四季に行った千紘れいかのようなものです。
小林一三は、彼女の退団と日活への移籍を悲しんで「戻っておいで」と歌劇かなんかに書いていました。
そして昭和15年、彼女はマキノ正博と結婚するんです。
産んだ息子はマキノ正幸で、彼は沖縄アクターズスクールを設立。
マキノ家といえば津川雅彦などの家系とぶつかっていますし、広い意味で名門ですよね。
宝塚を蹴っ飛ばしてライバル映画会社に入った轟夕起子。
彼女の夫の作品が84年後に宝塚で上演されるなんて、リベンジ成功!って言った所でしょうかね。
そして、これを機会に戦前の作品や俳優さん達にスポットがあたるといいなあ。
何故 都会的な雰囲気がウリの花組で??
大体~誰も見た事のない(見た人は天国?)
台本くらいは残ってるでしょうけど
上に乗ってる埃さえも化石化してるような作品を上演??
ひとつ気になるのはコレは~
第二次世界大戦直前に出来たお話
ウクライナの戦闘を始めとする ロシアの野望が
第三次世界大戦の始まりにならないようにと切に願います!
(小柳さんは微塵も考えてないでしょうね(;^_^A)
私も昨日公式見てビックリです。ふぶき様は戦前の映画まで詳しくて流石ですね!
「元禄バロックロック」が良かったからそれの二番煎じ? OG公演の狸御殿みたいなのか?頭の中がグルグルしてます。
私はショーの演目の方がガッカリです。ロマンチックレビューはもうお腹いっぱいです。カレーちゃんには合わない気がするのですが。