ふぶきの部屋

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星組 千秋楽ライブビューイング

2024-12-03 07:00:00 | 宝塚コラム

結局舞台を見る事は出来なかったのですが、配信の方で見ました。

 記憶にございません 

石田昌也が三谷幸喜の映画「記憶にございません」を舞台化。

今になってなぜ「記憶にございません」なんだろうとは思ったけど、総裁選や衆院選などの時期と重なり、映画さながらに考えさせられることが多々あったと思います。

映画と違う部分は

・小野田っちと奥さんとの友情物語

・記憶を取り戻すシーン

ですかね。

正直、あの映画をどうやって?と思ったけど、22場も使って細かく原作に忠実に再現したという感じがします。

ナレーションというか、ストーリーテラーとしてニュースキャスターを用いた事もわりとスムーズにいけたかなと思います。

とにかくギャグが面白い。千秋楽だけあってみんな好き勝手なアドリブで場を笑わせ、真剣にやっている所が本当に面白くでかなり笑わせて頂きました。

「献金マンボ」は耳から離れなくなります。石破の姿を見る度に歌ってしまいそう。

とはいうものの、やっぱり映画を舞台化するのって難しいのではないかと。

三谷幸喜はそもそも舞台出身の脚本家ですから、やりやすい方だったのかもしれないけどあまりに場面転換が多すぎてついていけない部分もあったし、よその組がやったらさぞやつまんないだろうと。

タイプなんだ」というセリフも中井貴一が言うからリアリティがあるので、礼真琴が言うとやっぱりどこかセクハラに聞こえる。男役には似合わないセリフですよね。

どうしても主役に重きを置く為に、本来個性的な面々がかすんでしまう事も事実で、例えばお手伝いさんもそうだし、井坂もそうだなと。

舞空の「魂胆があるのね」も石田ゆり子程可愛くないといういうか。

でもまあ、最後はいつもの星組のようにわちゃわちゃして終わって楽しかったねと。

 

 Tiara Azul 

「青い星」

竹田悠一郎デビュー作品。

なぜ今、アルゼンチンのカルナバルなのか、ブラジルと何が違うの?

でも調べてみたらどっちも似たような感じらしい。

宝塚でカルナバル物といえば

「ノバ・ボサノバ」「サザンクロスレビュー」「RIO DE BRAVO」と色々あるんですけど、全体的な印象としてはそれらをごちゃまぜにして、いいとこどりしただけ。

ついでに「パパラギ」から場面借りました~~って感じで、正直あまりオリジナル性は感じていません。

そもそも、主題歌がどこかで聞いた事があるようなフレーズで、そこで何で音が下がる?

思い出せないけど、絶対に聞いた事があるぞ~~に加えて衣装がめちゃ古臭い。

リズムもまた90年代そのもので、目新しいものと言えば、「やけタンゴ」と大階段のシーンだけじゃないかと。

そして最低と思ったのが、背中につけている羽根と被り物。これが本当にひどい。

ひどいと思ったけど、本物のアルゼンチンのカーニバルでは

 こんなんらしい。

被り物はそれを再現しているけど、中詰めのそれぞれの羽根は、踊りにくいとみんな言ってた。ぶつかりそうだし、重い。けど、不満も言えないんだろうなと。

特に始めの方で、低真琴の白スーツに生えたような黒い羽根。普通はこういうのは、差込口が見えないようにする筈なのに丸見え。

これは衣装部さん、ひどいんではない?

色の洪水のような衣装も、個性的と言えばそうなんだけど「ジャガービート」などに比べたらダサイの一言。あか抜けてない印象があるんですよね。

宝塚の衣装デザイナーが、みんなこんな複雑な色使いばかりしていると、「品格」を問われる時が来るのでは?と思います。

フィナーレの舞空瞳のドレスはとても可愛いし、結婚式などでも役に立ちそうだなとおもったけど、タイトルに「ティアラ」がついているんだし、日本人から見れば「ティアラ」は冠なので、もう少し「被ってみたいわ」と思えるようなものをどんどん出してくれたらいいのにと思いました。

礼真琴が久しぶりに踊りまくって楽しそうなのもよかったし、何と言っても暁千星の「やけ酒タンゴ」これはもう、彼女しか踊れない分野で、それだけがこのショーの価値なんだろうと思います。

「パパラギ」パクリシーンは、演出家によれば「エクレールブリアン」の風のシーンへのオマージュらしいけど、衣装といい、ダンスと言い、やっぱり激似です。

ああ、これはサザクロか、こっちはノバボサノバ?いやいやこっちは・・・と古株のファンは一々思い出して「見た事あるわ~~」と思った人、多かったのでは?

とにかうエリマキトカゲのあの襟とか、マンボでよく出て来る衣装は・・・もうやめてって感じでした。

我が家の姫はフィナーレのダンスが何で「星に願いをなのよ」と怒っていましたけど、とりあえず5年も星娘でいてくれたんだしねと大目に見てあげてと言ったのですが。

今回、竹田悠一郎は非常に扱いやすい題材で、冒険もあまりせず無難に収めたと思うんです。そういう意味では色々あったけど、「VioLetopia」の方がずっと意欲作だったと思います。

そうはいっても後々DVDを見たら評価も変わって来ると思うので、今度はこまめにDVDやスカステで放送されたものの感想も書いていかないといけませんね。

 

 出演者について 

礼真琴・・・「記憶にございません」では非常にコメディアンぶりを発揮して面白かったです。中井貴一の黒田よりもより誠実で素直な性格に見えたのは確かです。ショーに置いては、やっぱり歌唱力もダンス力もぴか一の人だったんだなと納得。星組の頂点として油が乗り切ったところを見る事が出来て非常に幸運だと思いました。

舞空瞳・・・石田ゆり子のようなキュートさはない。何に対しても真面目すぎる性格が硬いイメージを出すのかなと思いました。ショーでは男役を従えてがんがん踊る、この人の真骨頂だろうと思います。優等生らしいなと感じたんですけど今後、どうなっていくかな。礼真琴への片思いは今後もそうなんだろうなと。

暁千星・・・「記憶にございません」の井坂は、舞台ではやりようがない役ですよね。無表情すぎてもいけないし、感情的でもいけない。回りが熱く盛り上がれば盛り上がる程、その冷静さが仇になって埋もれがちだったなと。不倫の現場も「遊びならもうちょっと楽しんだら?」と。おディーン様のような天然にプレイボーイは出来ないね。

ショーにおいては、やっぱりタンゴのシーンがすさまじくて、回りがみんな下手に見える~~と。大階段でも「1789」を彷彿とさせるダンスシーンを発揮。

極美慎・・・佐藤浩市が演じた役を、ここまで綺麗にかっこよく演じ、しかもそれが似合っているって新しい発見。これはワルでも惚れてしまいますよね。ただ明るいだけでなく影も似合う、貫禄のある男役に成長しました。

ショーでも、一人で歌っても全然違和感なしで頭一つ出た感じ。今後に大いに期待します。

天飛華音・・・若手筆頭みたいな感じでショーでは目つきぎらぎらで踊ってました。「夜明けの光芒」以降、自分に自信が出て来たんじゃないかなと思います。しかし、じゃあ、技術面はどうかと言われると「これぞ天飛華音」というものはまだ見えない。正念場かな。

小桜ほのか・・・芝居の方では色気とムチでガンガン突っ走り、礼真琴の一つ一つを全部把握した上でのやりとりがめちゃくちゃ気持ちよかったです。ラストの方で、黒田から電話があり、また恋心が再燃したシーンも可愛らしく、さすがだなあと。ショーにおいては、当たり前に歌が上手い。美穂圭子のような将来を感じます。

稀惺かずと・・・彼女程「おぼっちゃま」が似合う男役はいないです。見た目もいいし、これから「これぞ稀惺かずと」というものを表に出せば、もっと目立つはず。現在は何となくまだ委縮している印象があります。

 

今回、特筆すべきは大希颯と瑠璃花夏で、大希颯は背も高くセリフ回しもいいし「RRR」の頃に比べると演技も上手になってます。あとは本当に化粧と前に出ようというギラギラ感。

どうも今時の若手は前に出ようとしない感じが多い?

朝美絢や天飛華音のような、「自分が!」を出さないと埋もれていくだけなのに。何が何でも上に上がってやる!という野心が欲しいなと感じました。

瑠璃花夏はショーにおいてはまだまだ後ろにいる感じですけど、芝居でのアメリカ大統領は華やかで演技力もしっかりしており、安定感がこの上なくいいと思いました。

どうせ詩ちづるには負けるんだろうけど、本当はダンス力もあるし、歌唱力はそれこそお墨付きで、私は次期トップ娘役は彼女がいいと心から思ってます。

もう大金持ちだったら・・・おばさまになってあげるのに(くすん)

舞空瞳について

花組のトップ娘役になると思っていたらまさかの星組への組替え。

気が強そうで優等生でど真ん中に一人で立てる。こういう娘役は花組でこそ光るものですけど星組の礼真琴の相手役になり、かなり勝手が違ったと思います。

礼との相性も決していいとは思わなかったけど、でも何をどう思われても押しが強く迫っていく姿には鬼気迫るものを感じました。

1番同士ってお互いに何でも出来るし、プライドも高いしそれなりのぶつかり合いがあったでしょう。

でも「1789」の礼真琴休演を支え、「ミーマイ」も乗り切った所は彼女の功績として大きいと思います。

私の中では常に「食聖」のアイドルに見えているんですけど、今後、そんな路線でやっていけないかな?

今後のご活躍をお祈りします。

コメント (1)
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