時代劇のジャンルの中で、「忍びの者」シリーズは、画期的な映画だったと思う。
それまでの忍者は、作品の中では、概ね地味な脇に甘んじていた。主役は戦国動乱の武将の活躍であって、全編通じて二回か三回程度、襲撃乱闘シーンに登場し、殺されたり、その場を逃げていったり、である。そうであるから, 役者は主役級でもないし準主役級でもない。
この「忍びの者」は、頭3作は石川五右衛門は忍びであったというプロットで、それ以降は真田十勇士で有名な霧隠才蔵を主役にし、彼ら下忍と言われる忍者集団最下層の活躍と悲哀を前面に押し出した。単なる忍びの機能面を、少ないシーンに登場させるのではなく、忍びの者たちの生活を含めて人間臭く描いた所に、大きな特徴がある。
シリーズ全作がカラーではなく、モノクロというのも、リアリティある映画にしていると思う。
この映画を切っ掛けに、以後続々と忍者を主役としたリアリティのある映画が、作られ、忍者映画の方向性を決定付けた。映画の中のジャンルの方向性を決定付けるような映画はそうないだろう。「忍びの者」はそういう映画なのである。
それまでの忍者は、作品の中では、概ね地味な脇に甘んじていた。主役は戦国動乱の武将の活躍であって、全編通じて二回か三回程度、襲撃乱闘シーンに登場し、殺されたり、その場を逃げていったり、である。そうであるから, 役者は主役級でもないし準主役級でもない。
この「忍びの者」は、頭3作は石川五右衛門は忍びであったというプロットで、それ以降は真田十勇士で有名な霧隠才蔵を主役にし、彼ら下忍と言われる忍者集団最下層の活躍と悲哀を前面に押し出した。単なる忍びの機能面を、少ないシーンに登場させるのではなく、忍びの者たちの生活を含めて人間臭く描いた所に、大きな特徴がある。
シリーズ全作がカラーではなく、モノクロというのも、リアリティある映画にしていると思う。
この映画を切っ掛けに、以後続々と忍者を主役としたリアリティのある映画が、作られ、忍者映画の方向性を決定付けた。映画の中のジャンルの方向性を決定付けるような映画はそうないだろう。「忍びの者」はそういう映画なのである。