よし坊のあっちこっち

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Weak-kneed diplomacyとSoft-power diplomacy

2010年09月29日 | アメリカ通信
アメリカの大衆紙とも言えるUSA TODAYに漸く尖閣紛争の記事が出たが、外の見方として興味深い。日本の弱腰外交(Weak-kneed diplomacy)については、軽く触れているだけで、その多くは中国の対応について書いてある。

近年、埋蔵資源が見つかった場所を中心にアジア諸国と小競り合いを続けている中国が、日本との対峙にどう出るか、アジア諸国は固唾を持って、西側諸国は興味津々で見守る中、今回の強硬な中国側のアクション(4人の日本人拘束や輸出妨害も含め)を目の当たりにするに及んで、公分析している。

「長年、イメージを和らげる為に取って来た微笑外交(Soft-power diplomacy)が、ここへ来て本来の正体を現し、牙をむき始めた。やり過ぎとも思える強硬姿勢は今後は収めるどころか、経済大国の力を背景にごり押しして来る」というもの。昔からの伝統的なやり方は今後も変わらないとし、やはり中国は変わらない国であることを世界に露呈してしまったとコメントしている。マイナスのイメージを改めて植えつけた格好になる。

昨年、中国海軍の将校がアメリカ海軍将校に或るメッセージを出した。太平洋の管理を中米で二分して管理しよう、と。ソフトな友好外交を目指そうとしたオバマが対中国強硬路線に転じた要素の一つではなかったかと思う。その延長線上に、今年のアセアンでのヒラリー・クリントンのベトナム取り込みが出てきたと見る。これは中国外交の失点となった。

日本はどうすりゃいいの。まず、歴史問題(中国の戦争被害観)は永遠に続くことを腹に落としておく必要がある(政治家だけではない、国民全体に求められる)。事或る毎にこれは出てくる。その上で、領土をどう守るかの問題だから、当然防衛力を論議せねばなるまい。とすると、行き着く所は憲法論議となる。最早避けて通れない問題のはずだが、何故もっと論議が起こらないのか。何故もっと国民レベルでの憲法論議をしないのか。

この国は、何処かの国が日本国土にミサイルでも打ち込み、甚大な被害が出ないと、そのような議論はしない国のようだ。他人事じゃあるまい。