畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載100「昔々の話」(続き)

2017-02-24 05:06:21 | 暮らし

   昔々の話の続き

 

 明治十二年生まれの祖母の話です。

 

その二

 昔、夜道を歩く人々を怖がらせる人魂があったそうだ。夜道の脇にくっきりと浮かび出て、

それを見た村人は震えながら、後も振り返らずに逃げ帰った。その夜道はしばらく人影が途絶えたそうである。

 

 祖母の父、私の曽祖父が繭を町場の問屋まで売りに行った帰り道の事である。

一杯やって帰路につくと山中の村に帰る道中は暗くなってしまった。

 

剛毅な曽祖父は期するところも有ったのであろう。

人魂が出るという噂の場所まで来ると、道から少し離れた林の中に噂どおりに出たそうだ。

 

 豪胆な曽祖父は「狐か狸の悪さに違いない。ここは一つ懲らしめて、

悪戯を止めさせよう」と考えた。持っていた、竿秤の分銅を風呂敷に包み、そっと人魂に近付き思い切り殴った。

 

 十分な手応えに良く見ると、殴ったのは狐でも狸でも無く、古びた木の切り株だった。

曽祖父のおかげで人魂の正体も分り、村人たちも安心して夜道を歩けるようになったと言う。

 

 想像するに、その人魂の正体は古い切り株に生えた、ある種のキノコか、

発光性の微生物だったのではないかと考えている。

今も昔も、話には尾ひれが付くし、つまらない噂話が信じられ、怪談になったりするのは同じ事だと、

怪談話を信じない私は思うのである。

                                       (続くその2あり)

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雪の遊歩道を歩く(その3終わり)

2017-02-23 04:37:37 | 登山

 登ってきたコース越しに、我が家の山の畑を見ます。

「わかるっかなー?わかんねーだろーなー?」って向こうの平の右端ですよ。

 

 堀之内御嶽山の頂上です。そう1.5メートルくらいの積雪かなー。

山の会が建てたものだと思うけれど、確か標高もあったはずだけれど見えないもの。

 

 うーん、「八海山」「御嶽山」ともう一つの山の名前は何だっけー。

石碑もともかく、頂上の鐘も雪に埋もれて叩けなかったらしく周りが掘られています。

 

 山の会の女性と会ったスベルべは例によって話に花が咲く。

立ち止まると寒いと言ってスベルべママは先へと進む。

 スベルべもしばらくして後を追ったけれども足跡も少なくなりずぼずぼと足は埋まる。

向こうに見えるスベルべママから携帯に着信。「引き返します」「どうぞー」。

 と、言うことで帰途に就くスベルべ夫婦。

遠い尾根に黄色のウインドブレーカーを着た山の会の女性が小さく小さく見えます。

 

 行きは良いよぃ帰りは怖い~のスベルべママです。

新調したばかりのスベルべのマリンブーツのグリップ力は最高でした。

 順調に下り日暮れの迫る前に下山終了。

いやー、まことに体に良い日でしたねー。冬の思わぬプレゼントのような午後でした。

       (終わり)

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それでもこの世は・・・・・

2017-02-22 04:44:21 | 暮らし

 ジャンルを「小説」にしたけれどもしっくりとこない。どうもジャンルが少なく偏っている。

先日に引き続き、「佐藤愛子」さんの著書をもう一冊購入。

 小説ではなくて、まさに「語りおろし」の人生論。

スベルべ自身も、それなりの年齢になってきたのかなー、内容は本当に身に沁みます。

 

 帯の裏ですが、内容の一部を適切に表している抜粋ですね。

佐藤愛子さんの「遠藤周作」「北杜夫」「川上宗薫」の諸氏と付き合いそして三大奇人と呼ぶほどの仲だった。

 他にも「色川武大」「中山あい子」さんとの交友関係も面白いですね。

でも、今のパソコン、スマホ世代とは一線を画す考え方生き方は納得させられます。

「文明の進歩が私たちを果たして幸福にしているのだろうか」

「今私達が漠然と感じている不安は文明が進歩しすぎたための不安ではないか」

「昔は皆が貧乏であり、貧乏なんて怖くなかった」そうです、そうです、その通りと喝采します。

「つまらない事を考えすぎる。考えない方がマシなこともある」そうそう。

『長いこと生きているとわかってくるんです。人生というものはね、幸福だのなんだの言ったって、

どうってことは無いですよ』至言ですねー。

 まー、私たち団塊世代が読んだら、元気が出るかもーって、遠周さんのように無責任に(大笑)。

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雪の遊歩道を歩く(その2)

2017-02-21 05:35:31 | 登山

 山頂ではなくて、一つのピークです。

まだまだ登りは続き、少し汗ばんできました。

 

 誰でしょう、先行者の姿が見えてきましたよ。

頂上について合流しましたが、同じ山の会の女性会員でした。

 

 「おーい、モデルが動くなー」なんて言うけれど、怖いスベルべママはさっさと先へ。

怖くて下が見える場所からは一刻も早く立ち去りたいらしい。

 

 右上の杉の木の見えるところがピークに隠れているけれど山頂。

山岳信仰の名残というか石碑には「御嶽山」「八海山」に名前も刻まれています。

 

 おなじみの「権現堂」が見えます。

このころから、少し雲が広がり始め日暮れと相まって影がくっきりとしてきます。

           (続く)

 

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ピアノとフルートとチェロと

2017-02-21 05:33:53 | 暮らし

 この土曜日は第三土曜日。

「サンドコンサート」の日で、除雪のパートも休みとあり、いそいそと出かけました。

 

 エントランスホールの向こう側ステンドグラスも何だか春の日差し。

でもねー、やはり広くて吹き抜けのエントランスホールは寒いですね。

 

 唯一、朝日酒造だということを示すかのような幟が一つ。

銘酒「久保田」はこの建物の左半分で瓶詰めされているようです。

 

 当日のプログラムです。

「フランスからの音手紙」なんて表題にありました。

 

  少し拡大してみましょう。

ピアノソロ、フルート&ピアノ、と続き休憩をはさんでチェロも登場してきます。

 

 金子由香利さんは初めてお目にかかりました。いえ平林弓奈さんにもでしたが。

お二人ともフランス留学が長く、平林さんは「演奏会用ソナタ」の作曲者ダマーズさんとお話されたこともあるとか。

 超一流の奏者の演奏ってこんなものかと思わせる、見事な調和と融和。

本当にどの楽器の奏でる音か判然としないようにさえ聞こえて体に染み込んできました。

 アンコールにお応えいただき再び演奏が始まります。

なんと、日本の「隅田川」「朧月夜」「春よ来い」などで、こんな曲目もできるのだと変に感心したのでした。

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