それこそ かつて又市 おぎん達と一緒に旅もした山岡
彼は小夜という若い娘と暮らしている
おじいちゃんと孫のように
若い頃 又市やおぎんと過ごした時間がかけがえのない宝物である
山岡は 訪ね来る四人の中の一人に かつての自分に共通するものを感じる
ここから ネタばれのようになります
今回 娘の持つ文庫版は 小野不由美さんの解説があり ちょっと得した気分です
再読になります
そして私はシリーズに馴染み深いある人物が 物語の最後に死んでいたことを すっかり忘れておりました
おとなしい山岡百介が 孫娘のように思う小夜の為に
その昔 幾度となく助けられたおぎんの惨殺された娘おりんの為に
そして百介の本に書かれていた又市の言葉
「信用できるご仁也 窮した際は頼るべし」 そう百介の事を
ゆえに枯れかけた命を賭け 燃やし 仕掛けた
百介は 思ったように 仕掛けを終わらせることはできなかったが
最後の最後に
本望であったろうと思う
何よりも おぎん 又市 百介に もう逢えないことが ひどく寂しい