ロシアのウクライナ侵略でG7が制裁を強めるなか、今秋のプーチン大統領の来日の行方が注目されています。
8月25日には、ラブロフ外相が訪日予定は変更していないと発言し物議をかもしましたが、次官級会談、外相会談といった事前準備は中止されたままで、対露制裁強化は進展していく情勢下にあります。
G7の一角を崩そうと、日本をターゲットにするロシア。北方領土返還・平和条約締結を進めたい安倍政権は、ロシアと米国との間に挟まれて苦悩を深めています。
今月(9月)に入り、森元首相が再度訪露して調整をしていましたが、安倍首相の誕生日のお祝いを名目に、プーチン大統領から電話があり、APECの開催期間に面談することを、安倍首相が提案したのだそうですね。
森元首相が訪露、北方領土問題解決の糸口を探る_中国網_日本語
G7の対露制裁を主導する米国に対し、独自路線を打ち出した安倍首相。ニッポン放送「ザ・ボイス」に出演された時に、平和条約締結に向けてロシアと交渉することはオバマ政権の了解をとりつけてあると語っておられたことは、ご承知の方が多い話です。
2014/09/11 ザ・ボイス 青山繁晴 安倍内閣総理大臣との本気対談 /ニュース解説「政府が吉田調書を公開」など - YouTube
プーチン大統領側とすれば、G7との制裁合戦で孤立し、ロシアの経済が減速することは避けたい。貿易実績の少なくないドイツやフランスとのパイプで、交渉を重ねていますが、制裁は強まる方向にあることは諸兄がご承知の現状です。
プーチン大統領側には、訪日するデメリットはありません。メリットは、G7の一角を崩す事と、日露の経済交流の拡大。対中抑止力としての日露関係維持。孤立化の苦境のなか、むしろ実現させたい案件です。
米露の間で苦悶するかの安倍政権ですが、米中の間でコウモリ外交を展開し、日本の鳩の様に米国の信頼を徐々に失いつつあり、逆に中国の属国化の坂道にはまりつつある朴槿恵の道は避けねばなりません。
しかし、日本の国益を追求する必要もある。北方領土問題は、互いに国内支持率が高い安定政権の今進展させねば、次はいつになるかわかりません。ここまで長期化したロシアの実効支配を変更することは、国際法上も困難になるばかりです。
そこで産まれた、APECの機会を捉えての首脳会談。内容的な進展は望めませんが、制裁合戦の中でも、両国首脳のパイプを残すことの苦肉の策ですね。
青山繁晴氏が提言している、ロシアとウクライナ & G7の仲裁も出来れば、ロシアのコブシのおろしどころが見つけられるかもしれません。
ただ、撃墜されたマレーシア機で犠牲者を出した国々の対露感情、力で現状の国境変更を行おうとする姿勢への国際抵抗の中、節度を誤れば、日本への信頼を失いかねません。
G7各国との連携を密にし、理解を得ながらの対露外交が重要になります。
# 冒頭の画像は、今年3月にクリミア半島に進出したロシア軍
この花の名前は、福寿草
↓よろしかったら、お願いします。
8月25日には、ラブロフ外相が訪日予定は変更していないと発言し物議をかもしましたが、次官級会談、外相会談といった事前準備は中止されたままで、対露制裁強化は進展していく情勢下にあります。
G7の一角を崩そうと、日本をターゲットにするロシア。北方領土返還・平和条約締結を進めたい安倍政権は、ロシアと米国との間に挟まれて苦悩を深めています。
今月(9月)に入り、森元首相が再度訪露して調整をしていましたが、安倍首相の誕生日のお祝いを名目に、プーチン大統領から電話があり、APECの開催期間に面談することを、安倍首相が提案したのだそうですね。
森元首相が訪露、北方領土問題解決の糸口を探る_中国網_日本語
日露 11月首脳会談提案 首相 APECに合わせ (9/22 読売朝刊)
安倍首相は21日夕、ロシアのプーチン大統領と約10分間、電話会談した。プーチン氏が早期の首脳会談の実現に意欲を示したのに対し、首相は、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせた会談を提案した。両首脳はウクライナ情勢について意見交換し、日露間の対話を継続していく方針で一致した。
両首脳 10分電話会談
日露首脳が電話も含めて会談するのは、2月のロシア・ソチ五輪開会式に合わせて首脳会談を行って以来で、3月のロシアによるウクライナのクリミア半島編入後は初めて。21日は首相の60歳の誕生日で、ロシア側から「誕生日のお祝いがしたい」と電話会談の要請があった。
2月の首脳会談で、日露両政府は今年秋のプーチン氏の来日で合意した。その後、ロシアのウクライナ情勢への介入を欧米が強く非難し、7月のマレーシア航空機撃墜に親ロシア派勢力の関与が疑われていることもあり、ロシアの孤立は決定的となっている。
日本は米国などG7(先進7か国)各国との協調を重視しており、プーチン氏来日は極めて困難な情勢となっている。9月に対ロシア制裁を強化した米国や欧州連合(EU)と歩調を合わせ、日本政府も近く追加制裁を行う方針で、ロシア側がこの日の電話会談を要請してきたのは、首脳会談の可能性を残したいという思惑があったとみられる。
電話会談で、首相がAPECでの首脳会談を提案したのは、プーチン氏来日が困難となっていることを踏まえたものとみられる。ウクライナ情勢を巡っては、法の支配を重視する日本の立場を説明した模様だ。ただ、米政府は、ロシアの対日接近を「G7分断を図るものだ」と警戒しており、日本への圧力を強めてくる可能性もある。
一方、日露両政府は、ニューヨークで開かれている国連総会の場で今月24日以降、岸田外相とラブロフ外相の会談を調整している。会談が実現すれば、首脳会談が議題となる見通しだ。
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11月の日露首脳会談、実現に期待…菅官房長官 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
菅官房長官は22日午前の記者会見で、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、安倍首相とロシアのプーチン大統領による首脳会談が実現することに期待感を表明した。
菅氏は、首相とプーチン氏による21日の電話会談について、「首相からは、APECを含めてマルチ(多国間)の国際会議の場を活用して、日露間の対話を行うことが重要だという趣旨を述べた。両首脳は対話を継続することで一致した」と語った。
菅氏は、ウクライナ情勢を巡り日本政府がロシアへの制裁強化を検討していることについて「G7(先進7か国)の状況を見ながら適切に対応していく」と従来の方針を述べるにとどめた。プーチン氏の来日に関しては、「何ら決まっておらず、種々の要素を総合的に判断して検討していきたい」と語った。
安倍首相は21日夕、ロシアのプーチン大統領と約10分間、電話会談した。プーチン氏が早期の首脳会談の実現に意欲を示したのに対し、首相は、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせた会談を提案した。両首脳はウクライナ情勢について意見交換し、日露間の対話を継続していく方針で一致した。
両首脳 10分電話会談
日露首脳が電話も含めて会談するのは、2月のロシア・ソチ五輪開会式に合わせて首脳会談を行って以来で、3月のロシアによるウクライナのクリミア半島編入後は初めて。21日は首相の60歳の誕生日で、ロシア側から「誕生日のお祝いがしたい」と電話会談の要請があった。
2月の首脳会談で、日露両政府は今年秋のプーチン氏の来日で合意した。その後、ロシアのウクライナ情勢への介入を欧米が強く非難し、7月のマレーシア航空機撃墜に親ロシア派勢力の関与が疑われていることもあり、ロシアの孤立は決定的となっている。
日本は米国などG7(先進7か国)各国との協調を重視しており、プーチン氏来日は極めて困難な情勢となっている。9月に対ロシア制裁を強化した米国や欧州連合(EU)と歩調を合わせ、日本政府も近く追加制裁を行う方針で、ロシア側がこの日の電話会談を要請してきたのは、首脳会談の可能性を残したいという思惑があったとみられる。
電話会談で、首相がAPECでの首脳会談を提案したのは、プーチン氏来日が困難となっていることを踏まえたものとみられる。ウクライナ情勢を巡っては、法の支配を重視する日本の立場を説明した模様だ。ただ、米政府は、ロシアの対日接近を「G7分断を図るものだ」と警戒しており、日本への圧力を強めてくる可能性もある。
一方、日露両政府は、ニューヨークで開かれている国連総会の場で今月24日以降、岸田外相とラブロフ外相の会談を調整している。会談が実現すれば、首脳会談が議題となる見通しだ。
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11月の日露首脳会談、実現に期待…菅官房長官 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
菅官房長官は22日午前の記者会見で、11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、安倍首相とロシアのプーチン大統領による首脳会談が実現することに期待感を表明した。
菅氏は、首相とプーチン氏による21日の電話会談について、「首相からは、APECを含めてマルチ(多国間)の国際会議の場を活用して、日露間の対話を行うことが重要だという趣旨を述べた。両首脳は対話を継続することで一致した」と語った。
菅氏は、ウクライナ情勢を巡り日本政府がロシアへの制裁強化を検討していることについて「G7(先進7か国)の状況を見ながら適切に対応していく」と従来の方針を述べるにとどめた。プーチン氏の来日に関しては、「何ら決まっておらず、種々の要素を総合的に判断して検討していきたい」と語った。
G7の対露制裁を主導する米国に対し、独自路線を打ち出した安倍首相。ニッポン放送「ザ・ボイス」に出演された時に、平和条約締結に向けてロシアと交渉することはオバマ政権の了解をとりつけてあると語っておられたことは、ご承知の方が多い話です。
2014/09/11 ザ・ボイス 青山繁晴 安倍内閣総理大臣との本気対談 /ニュース解説「政府が吉田調書を公開」など - YouTube
プーチン大統領側とすれば、G7との制裁合戦で孤立し、ロシアの経済が減速することは避けたい。貿易実績の少なくないドイツやフランスとのパイプで、交渉を重ねていますが、制裁は強まる方向にあることは諸兄がご承知の現状です。
プーチン大統領側には、訪日するデメリットはありません。メリットは、G7の一角を崩す事と、日露の経済交流の拡大。対中抑止力としての日露関係維持。孤立化の苦境のなか、むしろ実現させたい案件です。
米露の間で苦悶するかの安倍政権ですが、米中の間でコウモリ外交を展開し、日本の鳩の様に米国の信頼を徐々に失いつつあり、逆に中国の属国化の坂道にはまりつつある朴槿恵の道は避けねばなりません。
しかし、日本の国益を追求する必要もある。北方領土問題は、互いに国内支持率が高い安定政権の今進展させねば、次はいつになるかわかりません。ここまで長期化したロシアの実効支配を変更することは、国際法上も困難になるばかりです。
そこで産まれた、APECの機会を捉えての首脳会談。内容的な進展は望めませんが、制裁合戦の中でも、両国首脳のパイプを残すことの苦肉の策ですね。
青山繁晴氏が提言している、ロシアとウクライナ & G7の仲裁も出来れば、ロシアのコブシのおろしどころが見つけられるかもしれません。
ただ、撃墜されたマレーシア機で犠牲者を出した国々の対露感情、力で現状の国境変更を行おうとする姿勢への国際抵抗の中、節度を誤れば、日本への信頼を失いかねません。
G7各国との連携を密にし、理解を得ながらの対露外交が重要になります。
# 冒頭の画像は、今年3月にクリミア半島に進出したロシア軍
この花の名前は、福寿草
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