遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国 南シナ海で海軍に加えて空軍も増強

2012-08-04 23:19:46 | EEZ 全般
 中国は、南シナ海で南沙、中沙諸島、西沙諸島を管轄する海南省三沙市を新設し(6月)、肖傑市長とナンバー2には元軍人の符戇氏を選任していました。符戇氏の登用は言うまでもなく、人民解放軍が重要拠点として防衛にあたる「警備区」を設置した三沙市を軍がしっかり管理するためですね。
 そして、「三沙警備区の空域の防衛は、海域防衛よりも重要だ」とし、これまで注目されていた海軍等の増強に加えて、空軍の増強も進めるのだそうです。空母・ワリャーグの配備の他に島での滑走路が整備され主力戦闘機が配備されるのだそうです。
 

中国、南シナ海で軍増強 警備区設置フィリピン、ベトナム反発 (8/4 読売朝刊)

 
【北京=大木聖馬、バンコク=石崎伸生】中国の胡錦濤政権は、フィリピンやベトナムなどと領有権を争う南シナ海のスプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)諸島などの海域で軍の配備を進め、支配権の強化に乗り出している。比越両国は係争海域での資源開発などを進め、自国領有を既成事実化させる狙いだが、中国も対抗策に出ている。

 胡政権が6月に新設した、南沙、西沙諸島などを管轄する海南省三沙市では、7月に市人民代表大会(市議会)が開かれ、市のナンバー2に海南省軍区で副参謀長を務めた元軍人の符戇(ふこう)氏が選ばれた。中国筋は「符氏の就任は、市と軍との連携を円滑にさせる狙いがある」と解説する。
 
人民解放軍が重要拠点として防衛にあたる「警備区」を三沙市に設置したのも、南シナ海での軍事的優位性を高めるための基礎作りといえる。胡政権は南シナ海の制空権の確立を急いでおり、中国軍事科学学会の羅援・副秘書長(少将)も中国メディアに対し、「三沙警備区の空域の防衛は、海域防衛よりも重要
だ」と述べた。
 西沙諸島の永興島には2500メートルの滑走路が整備され、今後、警備区の設置で海軍のほか陸、空軍も防衛に参画することになる。中国は主力戦闘機「殲10(J10)」などを配備し、南シナ海全域を作戦範囲としてカバーすることも検討していると見られる。
 一方、フィリピンは7月末、中国が領有権を主張する地域も含む石油、ガス鉱区開発の国際入札を実施し、自国の排他的経済水域内にあることを強調した。
 南西部パラワン島沖の鉱区での入札には計6社が参加し、このうち外国企業は英企業1社だった。事前審査に参加していた企業は約40社だったことから、応札は低調だったといえる。入札対象海域では昨年、フィリピンの調査船が中国艦船に妨害されており、中国の圧力が入札に影響したとみられている。
 ベトナムは6月、両諸島の領有を初めて明記した海洋法を国会で可決し、領有権の主張に法的根拠を得た。だが、中国海洋石油は同月、越国営石油会社がロシアやインドと開発契約を結んだ鉱区での国際入札を発表した。
 胡政権は
8月1日、5月中旬から設定していた南シナ海での休漁を解禁。中国メディアは、4月から中国とフィリピンの艦船が約2か月間対峙したスカボロー礁に向けて「漁船が出漁の準備をしている
」と伝えている。多数の漁船が投入された場合、両国の緊張が再び高まる可能性がある。

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南シナ海を巡る最近の主な動き

4月 8日 スカボロー礁で中比の艦船のにらみ合い開始。6月まで
6月21日 越国会で海洋法成立。中国、三沙市設置を発表
6月23日 中国国有企業が越沖での国際入札を発表
7月 1日 ハノイで反中デモ(8、22日も)
7月 9日 ASEAN外相会議、共同声明の採択を見送り
7月19日 中国、三沙市に警備区設置を決定。23日には市長選出
7月20日 南シナ海での基本原則を明記したASEAN10か国外相の声明発表
7月31日 フィリピン、中国も領有権主張の地域含む鉱区の国際入札実施
8月 1日 中国、南シナ海での休漁を解禁
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 南シナ海で覇権拡大を続ける中国。国家の主権を護ろうと、あの手この手で奮闘するベトナムやフィリピン。報道が途絶える間もありませんが、「三沙警備区の空域の防衛は、海域防衛よりも重要だ」という新たなステップが登場してきました。
 艦船の増強は着々と進められてきていますが、空母ワリャーグの就航開始に伴い、制空権の確保に乗り出すと言う、新局面へのステップアップ宣言ですね。
 
 
米軍の海外最大の基地であったクラーク空軍基地は、1991年、フィリピン政府が米比友好安全保障条約の批准を拒否したことにより、翌年中に撤退されました。以来、中国の南シナ海への覇権花期代が強まったことは諸兄がご承知の通りです。

 中国機による日本の領空接近は、4~6月で15回で前年同期の27回に比べるとなぜか減っているのですが(露が24回から62回に増)、近年増加傾向にありました。

 日に日にエスカレートする中国の覇権拡大ですが、ベトナムやフィリピンはEEZ内の海洋資源開発などで国家の主権=実効支配の強化策をすすめて対抗しています。

 尖閣についても、中国の艦船が定期巡回を始めた今日では、外見上日本の実効支配レベル(石垣市議といえど上陸禁止で巡視船等による巡回監視のみ)との差はなくなってきています。
 都の購入に端を発し、実効支配の強化の動きが出てきて、超党派の議員連盟のメンバーの民主党の長尾敬衆議院議員と自民党の山谷えり子参議院議員、それに、東京都議会議員ら9人が、先の大戦の末期に周辺海域で遭難された方々の慰霊祭を行うための上陸申請を出しました。
 政府も承認の意向との報道がありましたが、可能なことから迅速に実施し、実績造りを積み重ねる時です。
 中国漁船の衝突事件があったのは、9月の漁期です。今年は、南シナ海同様に大船団の襲来が予期されています。
 また、先日書きましたが、石平氏の言う、政権交代で軍の人事も抗争があり内向きに勢力を傾けねばならない状況にある今の時期が実行のチャンスというのは、いつも日本がやられていることで、新体制が整うまでの今が実効支配強化策実行には石平氏の言う通りと言えるでしょう。
 ベトナムやフィリピンに習って、日本政府もしっかり国家の主権を護るための策を実行する様願っています。
 分裂中の民主党政権では、願っても無理...?このままでは、せっかくのチャンスを逸してしまう。

 尖閣上陸、政府が容認検討…都が近く申請 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 超党派議連 尖閣上陸許可申請 NHKニュース

 

 # 冒頭の画像は 三沙市No.2の符戇氏



 この花の名前は、タイツリソウ


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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?
中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!




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