Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

初雪の恋 ~ヴァージン・スノー

2008-07-05 | 外国映画(は行)
★★☆ 2006年/韓国 監督/ハン・サンヒ
「ファンの方のみご覧下さい」


キム・ギドクやポン・ジュノを見た後で、こういう映画を見ると、ある意味韓国映画の懐の広さというのをつくづく実感。なんとまあ、薄いこと、薄いこと(笑)。凍結した雪道で長靴が滑って、つる~っとすべっていくような表面だけをなぞらえた作品。でも、脚本は日本人なんですね。何とも冴えない日韓合同作品。主演のイ・ジュンギと宮崎あおいのファンの方がご覧になればよい映画ではないでしょうか。

日本人と韓国人が恋に落ちるという設定でまず考えられるのは、日本と韓国の間に長年横たわる感情の溝ですが、本作ではそれについて一向に触れません。まあ、常にそれを持ち出すとどの作品も似たり寄ったりになるので、敢えて外したというならそれでも構いません。ただ、韓国に帰ってきた彼が日本人の女の子に恋をしていたという事実に対して、家族や周りの人々がノーリアクションだったとは到底考えられません。また、ミンと七重、それぞれ家族関係において悩みを持っているのですが、ここの描き方が弱いのなんの。高校生時代のミンくんの演技も、観ている方が恥ずかしくなるような大げさな演出で閉口。批判はこれくらいにして、ちょっと別のこと。

これは、韓国映画だという思いで見始めたせいか、宮崎あおいが目鼻がキリリと際だつ韓国の美人女優とはまるで別人種のような存在に見えます。これは、主演のイ・ジュンギが女形のような美形なので、余計にそう見えたのでしょう。宮崎あおいを活かすならば、韓国サイドはもう少し親しみのある庶民的な俳優の方がしっくり来たと思います。まあ、キャストありきで作られたであろう作品に、このような話をしてもあまり意味がないかも知れませんね。