Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

SEX and the CITY シーズン5

2008-07-23 | TVドラマ(海外)
「センチメンタルな助走」


<vol.1>
いつも4人は一緒。いつだって、仲良し。いざと言う時はすぐに集まりあえる仲間。そんな友だち幻想に裏切られていくキャリーを描く第3話が秀逸。

女の友情に変化が訪れる時。それは、紛れもなく友人の出産だろう。意外と結婚は大したことがない。ミランダが子どもを産んだあたりから、4人のメンバーがそれぞれの道を歩き始める。何をするのも一緒では、なくなっていく。

独身の人は、キャリーに自分を重ねる。友だちが出産して、何か確かなものを得たような姿に嫉妬や羨望を感じたり、逆に、シングルとしての自由な身分に優越を感じたり。出産経験のある人は、ミランダに自分を重ねる。自分1人が老け込んだような気分に陥ったり、逆にかけがえのない宝物を得た気分に酔いしれたり。

離婚して新たな道を探し始めるシャーロット、初めて愛した男リチャードにケリをつけるサマンサなど、みんながそれぞれ「自分の人生」を生き始める。それは、とてもすばらしいことなんだけど、ただ仲良し4人組でキャーキャー騒いでいた頃はもう二度と帰ってこない。その現実が、とってもセンチメンタルな気分にさせるのです。

でも、この1人ひとりの物語が、今後味わい深くなるに連れ、再びもうワンランクアップした大人の友情物語が生まれてゆく。このシーズン5は、そのための助走と言えるのではないでしょうか。



<vol.2>
キャリーの恋の新しいお相手、バーガー。この人、すごくヒゲが濃くって全然私の好みじゃない。しかも「He's cute!」って、あのヒゲ剃り跡のどこがキュートなんだ!?キャリーって、一目惚れが多いんだけど、ホントに一貫性がない。まあ、なんだかんだ言って、このドラマの主人公だけに、脚本上いろんなタイプの男と付き合わされる設定になっているのでしょう。というわけで、今回は同業者と付き合わされるハメになったかわいそうなキャリー。物書き同士なんて互いの仕事内容に介入すればするほど、こじれるのは必至だね。

育児で追い詰められているミランダ。働きマンのツッパリが裏目に出て、何でも自分で背負い込もうとしてる。このあたり、本当に身につまされるなあ。自分のことを思い出しちゃう。私は、産後3ヶ月で仕事に復帰したんだけど、出張先まで子どもを連れて行って、休み時間におっぱい吸わせてた。仕事中も母乳のせいで胸が痛くなって、乳腺炎になって。「アタシ一体なにやってるんだろう」って虚しく思う時もあったっけ。私には本当に良くサポートしてくれる夫がいたけど、ミランダの場合、スティーブがいるとは言え、交代交代。それでも「一緒に住もう」って言わないミランダの強靱な精神力には恐れ入ります。同じアパートの奥さんが見かねてベビーチェアを持ってきてくれるくだりには、不覚にも涙してしまった。ミランダ、がんばれ~。

そして、シャーロットは全くターゲット外なツルピカおデブちゃん、ハリーとベッドイン。一緒にいる時、面と向かってボロカスに言ってるんだけど、相手の男に対してこんなに率直でいられるシャーロットって今までないんじゃいないの?しかも、それに対して怒ったりしないで、上手に受け流してるし。やっぱ、男は器の大きいのがいいよ。美女と野獣コンビの行く末が、いちばん気になる!