うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

南部牛追唄

2007年03月14日 07時29分43秒 | 地方・故郷・方言

 昨日の夜、NHK衛星第2放送で千昌夫の歌を聞いた。なんでも、宮城県名取市
での収録らしい。わたしは岩手県の出身。北上川沿いの宮城県との県境に位置す
る。もとは伊達氏の仙台藩、田村支藩である。

 わたしの故郷では、近所親戚が集まりハレの酒食の席、‘お振る舞い’では必ず
盆踊り唄を含んだ民謡が手拍子で歌われたものだ。30畳から50畳はある座敷に座布
団を敷き向かい合わせに料理を盛ったお膳を並べる。わたしも、子供心にいろんな
大人が集まりにぎやかに飲み食いする場面がうれしかった。酒の席だから、よく激
しい口喧嘩もあったのだが(特にわたしの父がそうである)。地元の焼酎(方言
名:ソオゥズ)と当時は自家製造を禁じられていたどぶろくを酌み交わす。遅い秋
から春先にかけての、農閑期に山里の息抜き、娯楽でもあったのだろう。

 中学、高校の学生時代は、演歌はポピュラーではなく文部省唱歌は別にしても流
行歌に軍歌であった。だけれどもそこで、歌われたのはもっぱら民謡・(詩吟)だ
けである。
 “斉太郎節(大漁唄い込み)”  “花笠音頭”  “真室川音頭”  “会津
磐梯山”  “さんさ時雨”  “ソーラン節”  “黒田節”  “ドンパン節”
“佐渡おけさ”   “江差追分”  “木曽節”  “長持唄”  “北海盆
唄”  “鹿児島おはら節”、ちょっと異なって“九州炭坑節”、それにこの“南
部牛追唄”である。

 わたしは、この千昌夫という歌手の歌をそれほど好きというわけではない。一言
で言うと、性格、風体に郷土色を感じ過ぎるのだ。
 ところがである。この番組では、フィナーレに“北国の春”を歌ったのだ。ワル
ツと東北。わたしは、この曲のはかなさとさびしさを突き抜けた朗々さにあらため
て感じ入ってしまった。
 この“北国の春”は中国人をはじめとして東南アジアに限らず、多くの外国人が
好むと言われる曲だ。むべなるかな、である。

 おととしの10月頃である。わたしは、成田の圃場へクルマで向かっている最中
にラジオで“南部牛追唄”を聞いたのである。尺八の演奏だけであるがその澄み
切った音声にまいり、そのままクルマを路肩に寄せて聞き入ってしまった。起業し
てうまくいかない状況のなかで、ノスタルジーだろうか、人恋しさだろうか。
 古里地元でも、この曲は難しいのかなかなか歌う人が少なかったと思う。
 言葉にしたくないのだが、この曲は哀調を醸し嫋々たる気品のあるメロデーの美
しい民謡である。以下に歌詞のみを記す。
 
  ♪田舎なれどもサーハーエ南部の国はサー
     西も東もサーハーエ
       金の山コーラサンサエー

  ♪沢内三千石お米の出どこ
     つけて納めたお蔵米

  ♪さても見事な牛方浴衣
     肩に籠角裾小ぶち

  ♪今度来るとき持って来てたもれ
     奥のみ山のナギの葉を

  ♪肥えたべこコに曲木の鞍コ
     金の成る木を横づけに

  ♪江刈葛巻牛方の出どこ
     いつも春出て秋もどる
     

コメント
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