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南洋編 3 ~スラバヤ沖海戦前~

2010年06月22日 | 人生航海
船団は、その後も南下を続けたが、毎日暑い日が続いて寝苦しかった。

そのため甲板に上がって涼む者も大勢いたが、このあたりまで来ると日中必ず何回かのスコールの土砂降りがあった。

雨が降るので、皆、石鹸や手拭いを持って甲板で自然のシャワーを浴びて、南方の暑さを凌いでいた。

フィリッピン南部のホロ島付近で、船団は、一時航行を停止したことがある。

詳しくは知らされなかったが、再び日本海軍の艦船に護衛されながら、マカッサル海峡の南下を続けた。

だが、この頃から敵の偵察機が高度の上空を以前よりも飛んで来るようになり、その後、いよいよ爆撃機も現れるようになった。

しかし、爆弾投下をしてきても、敵機の高度が余りにも高いので命中する事は無かった。

そのうえ、各艦船からの砲撃を恐れて、低空からの爆撃は一度もして来なかった。

もし低空からの爆撃があれば、各艦船からの高射砲や機関砲での一斉射撃をされるのである。

ただ、あの時に敵機からの爆撃があれば、我方も全面攻撃の開始となり、絶対に安全だったとは言えず、そう思い想像するだけでも怖い事態に至ったかも知れない。

しかし、目に見えぬ潜水艦からの攻撃が恐ろしいのは、当然の事だった。

それを恐れながらマカッサル海峡を南下中の2月20日を過ぎた頃、突然、ジャワ島沖に敵の大艦隊が現れる・・との報が入ってきたのである。

その為、全船団は、ボルネオ島のバリックパパン沖に引き返して、一時待機することになったのである。