ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

捕虜時代(俘虜生活) 4 ~かたつむり~

2010年08月20日 | 人生航海
何を言ってみても、敗戦国の軍人であり、捕虜として扱われるのは当然であり、案外軽い処分で済んだと思った。

捕虜として、まず自分達の住む場所を作る事から始めた。

近くのジャングルから適当な木を切り出して、棟木や柱等をつくり、手分けをして、茅をきり集めて、藁葺きの家を何棟も作った。

ゴム林は、幹の間隔が等しく植えられてあり、その幹と枝を利用して作るので、案外簡単に出来た。

僅かの日数で、全員の力によって、仮宿舎は出来上がったのである。

元工兵隊であったので、本業同然なので、建物を造るぐらいは、簡単な事であった。

他の悩みは、食べる事であった。

連合軍の配給では、とても足りるものではなかった。

生きる為、野草を探したり、ジャングルの川で魚を捕ったり、デンデン虫を食べた事もあった。

デンデン虫は、灰で揉んで、ヌルヌルを除いて、炊いて食べたのである。