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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

九十九歳の伝言。

2019年07月25日 | 百伝。

今日は、35度超え・・・暑かったなぁ。

午前中、大きな病院での定期検査・・・特変無し。

午後、暑いので駅周辺のべーカリーにて、時間を過していました。

午後3時ぐらい、80代とおぼしき老夫婦が入店、ぼくの隣席に座りました。

ご主人が、何個かのパンも揃えて、お二人でアイスコーヒーを飲みながらの会話。

「こんなに食べられない」と奥さん。

「残ったパンは、今日の夕飯にしよう」とご主人。

「そうだね」と、うなずく奥さん。

「アイスコーヒーは、はやく飲める」とご主人。

微笑ましい御夫婦の晩年、その日常風景、会話でした。

元気なことは、素晴らしいのです。

あと数年後、90歳代となれば、二人連れの夫婦での行動というのは、極めて稀なことになります。

そう・・・90歳の壁です。

その後の1年1年の老化現象は、生まれて10歳までの成長過程と匹敵するスピードで速まります。

足腰が悪くなると、身体能力、知的脳力も、みるみるうちに低下していき、単独行動が難しくなります。

身内の伴侶、兄弟姉妹の不幸があったとして、そのお通夜、葬式にも出席できなくなります。

若い親族が面会に来られて、孫だったのか、曾孫だったのか・・・思い出すのも大変です。

そう、99歳になって、普通に歩いている方は、奇跡のような方なのです。

その歩いている99歳の方との昨日の会話。

「わたしは、90歳の時、突然腰痛になって全然身体が動けなくなって40日間ほど入院した。どうして、こうなったのか? ずっと、その原因を考えた。」

「老化現象だと思わなかったのか?」・・・この方の強いメンタル部分なのでしょう。

「その原因が分かったんだよ。それは、同じ姿勢を続けていたから腰痛になったんだ。」

・・・確かに、そうかも知れません。

その後、この方、毎日、草をむしりながら、家の周りをぐるぐると歩いたとのこと。

今、我々世代よりも上の団塊の世代を中心に「健康を極めよう」とする方々が実に多いです。

人生百年に近づいた時代にもなりました。

様々な健康方法、いろんな食事療法がありますが、百歳になっても健康寿命を全う出来る基本の基本は、「歩く事、歩ける事」です。

それに足して、この方は、足の浮腫(むくみ)防止のために、靴下を履かない、裸足のままでシューズを履いているのと、寝る時は、足元にタオルを置いて、足を挙げて寝ています。

九十九歳・・・自から率先、工夫を凝らして、生涯を全うしようとする姿勢に感服します。