ふと気がつくと、自分のコレクションは故人のブツばかりが中心になっていました。
新しいものについていけない自分がいます。
もちろん現役バリバリのCDも買いますが、当りが少ないなぁ、自分的に……。
そんな中で久々に唸ったのが、これです――
■Sweet and Lovely / Gianne Basso - Fabrizio Bosso Quintet (Philoogy)
イタリア人ジャズメンのベテランと若手バリバリが真っ向勝負しています。
ジャンニ・バッソーは保守派のテナー・サックスで、限りなくソフトに歌うタイプ、コルトレーンなんて、何処の国の人? という名人です。
対するファブリッツイオ・ボッソは、現在では間違いなく世界最高水準の実力派トランペッター! なめらなか高速フレーズ、柔らかなトーン、そして豊かな歌心で聴き手を魅了します。
その新旧フロントを支えるのが、これもイタリア屈指の実力派ピアニストであるアンドレア・ポッツァのトリオです。この人も粋なフレーズと弾けるリズムのバランスが最高ですね。
で、その彼等がスタンダード中心にジャズメン・オリジナルも含めて正統派にスイングしたのが、このアルバム! ややドラムスに突っ込みがたりないところが気になりますが、まあ、これだけ楽しく、奥深くスイングしているジャズは、最近では珍しいでしょう。
もう少し汚れとネバリがつけば、ボッソは近い将来、世界一のトランペッターになるかもしれません。それほどの実力がある人なので、機会があれば聴いてみて下さい。