時間が経過するが早く感じられると、歳とった証拠?
昔からよく言われていますね。確かに中学生の頃は授業時間が長く感じられて……。
ところが今は光陰矢のごとし、もう金曜日、仕事も後が無い雰囲気に満ちています。
そんな時、これを聴きます。和んで力入りますよ。それが――
■Matching Mole (Sony)
イギリスのジャズ・ロック・バンド、ソフトマシーンから脱退したドラムスのロバート・ワイアットが1972年に発表した名盤です。メンバーはワイアット(ds)の他にデイブ・シンクレア(key)、フィル・ミラー(g)、ビル・マコーミック(b)等々、その周辺のメンツです。
この当時のジャズ・ロックというと、ギンギンギラギラと思われるかもしれませんが、ここでは1~3曲目までが、和み系のスキャットやキーボードでホノボノと演奏されます。特にド頭の「オー・キャロライン」は日本の歌謡フォークというか、このイントロ、このメロディ♪ なんかチューリップとか南沙織、出てきそうです。この1曲だけで、このアルバムの価値があると言っても、いいほどです。朴訥とした彼等の歌が、なんとも言えません。愛しているよ、キャロライン♪
しかし4曲目はテンション高く、アドリブの応酬、ジャズ・ロックの生き地獄です。同時代のウェザー・リポートも顔色無しでしょう、カッコイイ! そしてここでB面へ続きます。
そこでは妖しげなスキャットからジャズ・ロックをやってますが、フリーな展開から宇宙的な広がりの中に放り込まれる瞬間が、たまらなく気持ち良い演奏が続きます。
現在はCD化もされていますが、ふた昔前までは、愛らしいジャケットゆえにアナログ盤が不思議な人気、ありましたですね。私も家に飾っていました。
まあ、A面で決まりの名盤でしょうか。