昨日はPCが不調……。
しかもバックアップをしばらく取っていなかったので、焦りまくりました。
なんとか復調はしたものの、汗びっしょり、喉はカラカラ、うへぇ、ビールが美味いという、ケガの功名もありましたけど……。
それはそれとして、夏はボサノバっ♪
当たり前のように決め付けて、何の問題も無いでしょう。
数多い名演・名盤の中で、私が特に愛聴しているのが、これです――
■A Certain Smile A Certain Sadenss / Astrud Gilberto & Walter Wanderley (Verve)
ボサノバの人気スタア2人、アストラッド・ジルベルトとワルター・ワンダレーの共演盤というだけで、ワクワクしてくるでしょう♪ しかもその高まる気分を涼やかにしてくれる爽やかな演奏は、もう、お約束の世界です。
録音は1966年9月、メンバーはアストラッド・ジルベルト(vo) をメインに、ワルター・ワンダレー(org,p)、ホセ・マリノ(b)、クラウディオ・スロン(ds) というトリオに加えて、ボビー・ローゼンガーデン(per) とジョアン・ジルベルト(g) が加わっています。しかもその演目が、お馴染みのものばかり――
A-1 Certain Smile / ある微笑 (1966年9月20日録音)
まず出だしから儚げに歌うアストラッド・ジルベルトにグッときます。しかし一転、軽快なリズムに乗ってせつないメロディを素直にフェイクしていく彼女にも、シビレますねぇ~♪ ちょっとモタれるあたりが、たまりません♪ 短い演奏ですが、もう、最高です!
A-2 Certain Sadness (1966年9月21日録音)
ここではジョアン・ジルベルトのギターとアストラッド・ジルベルトのデュエットから、ワルター・ワンダレーがピアノでしょうか? トリオの揺るかや伴奏が付いて、リスナーは完全に夢心地です♪ あぁ、いつまでも浸っていたい世界です。
A-3 Nega Do Cabelo Duro (1966年9月20日録音)
シャープなボサビートで歌われる、ちょっと意味不明なスキャットか唄なのか分からない歌詞が、逆に魅力です。
ここではようやく、ワルター・ワンダレーのオルガンがクールに熱いソロを聴かせてくれます。う~ん、見事ですねっ♪
A-4 So Nice / Summer Samba (1966年9月20日録音)
これはお馴染み、ワルター・ワンダレーの大ヒット曲のボーカルバージョンです。もちろんツポを押さえた爽やかさで、アストラッド・ジルベルトの魅力が存分に発揮されています。というよりも、この組み合わせならば、聴かずに済ませられる人は少ないでしょう。全く期待どおりの歌と演奏が展開されています。
ただしオリジナルバージョンで聞かれたワルター・ワンダレーの出来過ぎアドリブは無く、それが逆にジャズの本懐でもありますが……。
A-5 Voce Ja Foi Bahia (1966年9月20日録音)
これも軽快でせつないボサノバの真髄が♪
あぁ、このセツナチズムとでも申しましょうか、ワルター・ワンダレーのオルガンも最高の出来ですし、アストラッド・ジルベルトの良さは言わずもがなのキュートさです。
A-6 Portuguese Washerwoman (1966年9月20日録音)
そして、これもキュートなボサノバ・スキャットがっ♪
この手ものは1970年代エロ映画のサントラで頻発されるのですが、分かりますねぇ。何とも言えないお色気が、アストラッド・ジルベルトの持ち味です。
B-1 Goodbye Sadness / Tristeza (1966年9月21日録音)
あぁ、またまたアストラッド・ジルベルトのスキャットから、こんな有名ヒット曲がこのメンツで演奏されていくのですから、悪いはずがありません!
ワルター・ワンダレーのオルガンも完璧なら、ジョアン・ジルベルトのギターのリズムも素晴らしい限りです♪
B-2 Call Me (1966年9月23日録音)
これはイギリスのポップスが元ネタですが、アストラッド・ジルベルトは例の棒のような歌い方で、完全に薬籠中のものとしています。特にサビの解釈は最高ですねっ♪
それとワルター・ワンダレー・トリオのバック演奏が、素直な良さに溢れています。もちろんアドリブパートは考え抜かれたような痕跡もありますが、それもジャズ&ボサノバの魅力でしょうねぇ♪
B-3 Here's That Rainy Day (1966年9月23日録音)
またまた有名曲の極みつきですが、ここではワルター・ワンダレーのオルガンとピアノの多重演奏が効いています。ちょっとミステリアスなカラオケのようですが、こういうスローな展開ではアストラッド・ジルベルトも、全てはお見通し! という歌唱で良いですねぇ~♪ もちろん儚いスキャットも聴かせてくれますよ。
B-4 Tu Mi Delirio (1966年9月21日録音)
これもしっとり系の歌と演奏で、またまたワルター・ワンダレーはピアノとオルガンの両刀使いです。ただしアストラッド・ジルベルトの歌唱が物足りないというか……。魅力のモタレが裏目に出たという……。
B-5 11 It's a Lovely Day Today (1966年9月20日録音)
しかしこれは、素敵ですっ♪
元ネタはスタンダード曲ですが、ヘタウマというか、かなり危ういメロディ解釈が最高の結果になってしまったと言えば、言いすぎかもしれませんがっ! 個人的には、これ、大好きです。
ワルター・ワンダレーのオルガンは、少し力みが入っていますが、それも結果オーライで、こういう選曲のセンスが、プロデュースも含めてボサノバの魅力かもしれません。
ということで、あまりボサノバには執着していない私でも、夏にはこのアルバムを取り出す機会が増えてしまいます。クーラーじゃなくて、扇風機にあたりながら、冷たい飲物にアストラッド・ジルベルトの歌♪
これも日本の夏じゃないでしょうか!?
全くルックスどおりの歌を聞かせてくれる彼女は、神様の贈り物かもしれません。