■雨のカテドラル / 佐野量子 (RCA)
ある時期、「台詞~語り入りの流行歌」を集めていた時期がありまして、本日掲載した佐野量子のシングル盤A面曲「雨のカテドラル」も、そのひとつです。
皆様ご存知のとおり、今では競馬騎手・武豊夫人の彼女も有名になったのは昭和59(1984)年頃からの芸能活動があって、翌年にはアイドルシンガーとして本格的にデビューしたわけですが正直、その存在感に比して肝心の歌唱力は合格点とは言い難く、当然ながら代表作となる様なヒット曲も出せなかったのが実情でしょう……。
ところが彼女は所謂「天然」な資質があった様で、正統派アイドルでありながら、テレビのバラエティ番組では、相当にアブナイ!? とツッコミを入れたくなる様な言動・行動もあったりして、そんなこんなが芸能界で生き残っていた理由だったとしたら、それなりに制作発売されていたレコードにも深読みしたくなる様な名作・迷作が残されているんじゃ~ないでしょうか?
と、書いてしまったのは、もちろんサイケおやじが佐野量子の全ての音源を聴いていないからであり、ところが本日取り上げる「雨のカテドラル」に関しては、なかなかに琴線を刺激されてしまったですよ (^^;
なにしろ、既に述べたとおり、作詞:秋元康&作曲:松尾一彦が彼女に宛がったのは、悲しみが滲み出た歌詞&曲メロが用意されながら、そのほとんどを台詞~語りで表現させるという、ある意味では狂おしきアイドルソングであり、または禁断の「逃げ」企画?
それゆえに彼女が持前のナチュラルなロリ系アニメ声も、結果オーライでありましょうか (^^;
あらためて述べるまでもなく、これが発売された昭和60(1985)年12月までに数枚のシングル盤を既に出していながら、特段のヒットも放てなかった佐野量子にしてみれば、同時期に活躍していた先輩やライバルであった女の子アイドルとは幾分なりとも異なるキャラで勝負せねばならない歌唱力の問題もあったんじゃ~なかろうか……?
なぁ~んて、お叱りは覚悟の失礼な推測をさせていただけるならば、以前にご紹介した「裸の花嫁 / 岸本加世子」を思い出してしまうほどの面映ゆさもあったりしまして…… (^^;
うむ、だからこそ、「台詞~語り入りの流行歌」の存在価値が認められるとしたら、湿っぽさ(?)を演出した今泉俊郎のアレンジはイイ仕事だと思いますが、いかがなものでしょう。
それと特筆すべきは「カテドラル」という言葉、これはキリスト教の聖堂を意味すると思うんですが、あんまり当時の日本人には馴染みのない外来語だと思いますから、如何にもアイドルらしい「あざとい」下心的な狙いも、それが佐野量子だったら、まあ……、いいか (^^;
みたいな印象も残ってしまいます。
ということで、本日は大雨で甚大な被害も発生しているのに、こんな「雨」の歌を出してしまったのは迂闊でした <(_ _)>
申し訳ございません <(_ _)>
明日からは、安寧を心して頑張る所存です <(_ _)>