■ガラスの鐘 / 浜恵子 (Kit / 日本コロムビア)
掲載したのはマニアックなファンも多いと云われる浜恵子が昭和47(1972)年10月に出した、所謂ベンチャーズ歌謡の「ガラスの鐘」をA面に入れたシングル盤でして、当時はヒットしなかったんですが、最近はジワジワと盛り上がっている裏人気が高いらしいですよ。
と、書いたのも、告白すればサイケおやじは浜恵子のレコードは、これっきりしか持っていないという、「この人」シリーズの歌手であり、掲載のブツにしても、かなり以前に安値纏め売りされていたオークション品の中から発掘した1枚ですから、あんまり詳しい事は……。
しかし、実際に針を落としてみれば、流れ出すのはアップテンポの紛う事無きベンチャーズメロディであり、制作クレジットを確認してみれば、作詞:八坂裕子&作曲:ベンチャーズ、そして編曲:青木望と記載されていますので、刻まれているのは如何にもの和製ハリウッドポップスと申しましょうか、オンタイムで流行っていた「昭和」ならではの「ポップス歌謡」がド真ん中♪♪~♪
それはイントロからテンコ盛りのストリングス&ブラスセクション、ベンチャーズスタイルのリズムセクション、そしてサビのバックでは疑似ニューロックなギターソロが彼女の歌に絡みつくという、いゃ~~、これは、やっぱり好きな人には好きっ!
そ~としか言えない仕上がりだと思うばかりです (^^♪
また、肝心の浜啓子の歌唱は、幾分ロックっぽいところが希薄ではありますが、節回しや声質には薄味の弘田三枝子みたいなフィーリングもあり、抑えたAメロに刹那のサビの熱唱は、それなりに捨て難いところでしょうか。
サイケおやじは、聴くほどに好きになっています (^^♪
ちなみにベンチャーズが演じる「ガラスの鐘」は、我が国独自制作のLP「POPS IN JAPAN '73 (東芝)」に「Wait For Me」をオリジナルタイトルとして収録されています。
もちろん、件のアルバムは毎年夏の風物詩として吉例になっているベンチャーズの来日公演を意識しての企画盤なんでしょうが、ジャケットに掲載されていメンバーのグループショットに登場しているのはノーキー・エドワーズ(g)、ドン・ウィルソン(g)、ボブ・ボーグル(b)、そしてジョー・バリル(ds) という面々で、つまりはメル・テイラーが抜けているんですねぇ~~!?!
そして昭和48(1973)年7月には、上記のメンバーで来日したわけですが、なんとっ!
メル・テイラー(ds) がジェリー・マギー(g)、ボブ・スポルディング(g)、ビル・リンカーン(b)、ジョン・ダリル(key) で編成した自らのバンドであるダイナミックスを率いて同時期に日本巡業を敢行したのですから、ファンばかりか、一般の音楽&芸能マスコミも「ベンチャーズ! お家騒動~分裂」なぁ~んて、煽りとも宣伝とも判別し難い騒ぎも、今となっては懐かしい思い出です (^^;
もちろん、サイケおやじは両バンドのステージに接する事が叶ったという幸運に感謝しておりますし、本家ベンチャーズとメル・テイラー&ダイナミックスの来日音源は今日、きっちり残されていますので、気になる皆様はお楽しみくださいませ (^^)
サイケおやじとしては、メル・テイラー&ダイナミックスの演奏が矢鱈にアップテンポのアレンジが多くて、落ち着かなかった印象が残っていますが、そのあたりは十人十色の好き嫌いでしょう (^^)
閑話休題。
で、ベンチャーズの「Wait For Me / ガラスの鐘」のソングクレジットはボブ・ボーグルとドン・ウィルソンになっていますので、この当時のメンバーの出入りは、なかなか興味深々ですねぇ~ (^^;
ということで、やっぱりベンチャーズ歌謡って、イイですよねぇ~~♪
そんな思いを、尚更に強くしているのでした。