■悲しい芝居 / 千葉紘子 (ポリドール)
ロシア対ウクライナの戦争報道には連日、悲しい気持ちしか残りません。
そして我が国では、押し並べてロシアを非難し、ウクライナを支援しようという空気が支配的であり、それは経済制裁だとか、物資の支援や義勇兵募集、街頭での抗議活動等々、それはそれで大切なんでしょうが、少なくとも生半可の圧力・武力ではロシアを撤退させる事は難しく、とにかく現状では互いに正義と信じているかの様に堂々とした殺し合いが繰り広げられているんですから、これで悲しくならなかったら……。
サイケおやじは正直、何も出来ませんし、今は何をやっても、根本の解決にならないと思っています。
また、それが……、どんな事なのか?
という答えも見つけられません……。
あぁ……、本当に悲しいですよ……。
ということで本日、朝から聴きたくなって針を落としたのが掲載のシングル盤A面曲「悲しい芝居」でした。
これは千葉紘子が昭和56(1981)年に出したスローテンポの洋楽歌謡と申しましょうか、決してポップス歌謡ではなく、むしろ歌謡フォーク風味も感じられる刹那の自虐ソングなんですが、制作クレジットは作詞作曲:なかにし礼&編曲:若草恵となっていますから、最初に耳にした瞬間から妙に心に染入ってしまうのも、不思議ではない仕上がりでしょう。
そして千葉紘子の誠実さが滲み出た歌唱が、これまたニクイばかりです。
あぁ……、この物悲しさは……。
ということで、この世が悲しみに満ちている事は今に始まったわけではありませんが、その時々において、人が人として思う事、成すべき事は、ひとつの共通認識として必ずやあったと思うんですよ。
だからこそ、こんな時、我はそれを考えていくべきなのでしょうが、簡単な事では決してないというのも、辛い現実……。
悲しい歌だって、無くなりはしないと……。