■東京夜景 / 聖佳代 (クラウン)
歌謡曲売れ線定番のひとつ「ご当地ソング」は、どちらかと云えば「地方」を意識した作品が多い様に思われますが、本日掲載のシングル盤A面曲「東京夜景」はタイトルどおり、そのものスバリに「東京」を歌い込んだ、これも立派な「ご当地ソング」かと思います。
それは星野哲郎の綴った歌詞に「銀座」「新橋」「渋谷」「新宿」「四谷」「赤坂」「蒲田」「大森」「中野」「阿佐ヶ谷」「麻布」「青山」といった地名が出て来るんですが、もちろん、皆様ご存じのとおり、また曲タイトルからしても、ネオン街と深く繋がっていますから、ここでの歌謡世界の主人公は、そんな中で流されつつも、懸命に生き、そして諦めを自分に言い聞かせつつ、未練と情念を煮詰めている、それなりにイイ女なんでしょうか?
臼井除州によって附されたメロディも、またミディアムテンポのアレンジを施したした小谷充の狙いも、典型的な「盛り場演歌」であり、聖佳代の歌いっぷりも、だからこその唸りやコブシ回しがジャストミートの熱唱になっていますよ♪♪~♪
当然ながら、サイケおやじにとっての聖佳代は「この人」シリーズの歌手であり、これっきりしかレコードを持っていませんが、ジャケ写ポートレートに登場している彼女の「三白眼」の眼差しが何とも思わせぶりで、気になりますねぇ~~ (^^;
ちなみに発売されたのは、昭和46(1971)年3月ということで、サウンドの作りも同時代の「クラウン」、あるいは「RCAビクター」等々と通底する味わいになっていて、これも歌謡曲王道の仕上がりかと思うばかりです。
ということで、ようやくコロナ禍も出口が微かに見えた様な雰囲気ですから、夜の盛り場も賑わいが復活していくのかもしれませんが、まだまだ油断は禁物!
その業界の皆様には申し訳ないとは思いますが、サイケおやじは、そんなこんなの「盛り場歌謡」を聴くだけにしておきます、もう、しばらくは (^^;