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サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-97:青木絵奈 ~ 欲望があればこその明日

2022-08-26 17:52:55 | 歌謡曲

明日は何かある / 青木絵奈 (ビクター)

十代の頃は、たった1枚のレコードでも、なかなか買うための経済力が乏しかったので、必然的に同じ盤を何回も繰り返して、それこそ擦り切れるまで聴いていたもんですから、繋がりも深くなっていた反面、もっともっと聴いてみたいレコードが夥しく存在していたという、その残酷な仕打ち(?)こそが、今に繋がらるサイケおやじのエネルギー源になっていたのは確かです。

平たく言えば、物欲の為に働き、どんな我慢も辛抱も出来ていたわけですから、ネット等々を活用しつつ、猟盤に勤しめる現在の状況に感謝を忘れてはならないと思いはするものの、それなりにバチアタリをやらかしているのがサイケおやじの本性です。

例えば、本日掲載の1枚は、青木絵奈と名乗る女性歌手が昭和47(1972)年に出したシングル盤なんですが、失礼ながら全く売れていなかったとはいえ、サイケおやじは当時、ど~しても聴いてみたいと願っていたんですねぇ~~ (^^ゞ

それは当該シングル盤が、頻繁に出入りしていたレコード屋の店頭ディスプレイで、最高に目立つ場所に飾られていたからでして、しかも直筆と思われるサインまで入っていたんですから、おそらくはキャンペーン等々で同店を訪れた事もあったんじゃ~ないでしょうか?

そのあたりの真偽は確かめなかったんですが、なんとなくイチオシっぽい扱いになっていましたし、A面に収録された曲タイトルが「明日はなにかある」っていうんですから、その思わせぶりに惑わされてしまったのは、その頃のサイケおやじが漠然とした自分の未来、そして漫然と過ごしている高校生という身分に、それなりの焦りを感じていたからでしょう (^^;

まあ……、そのあたりの感情こそが、青春ド真ん中ってやつだったのかもしれませんが、そんなこんなの時間を経た現在、ようやくにしてサイケおやじの手元に入った件のシングル盤は、当然ながら以前に中古纏め売りのセール品の中から発掘したというブツでありました。

そして長年の願望を満たすべく針を落としたA面「明日はなにかある」は作詞:岩谷時子&作曲:鈴木邦彦が提供した、当時流行の歌謡フォークを洋楽センスで焼き直したが如きソフトロック歌謡だとは思いますが、落ち込んだ男への慰めを前向きに見つめた歌詞に面白味が感じられませんし、メロディラインも聊か平凡な仕上がりで、う~ん、これは…… (^^;

そして肝心の青木絵奈のボーカルが明るい声質に反ネガティヴな節回しというか、ミディアムアップの曲調の所為もあるんでしょうが、所謂胸キュン感が薄く、また青木望のアレンジもストリングス&オーケストラの使い過ぎみたいな、如何にも「ソフトロックでございます」になっているのも、なんだかなぁ……。

それこそ、長年聴きたかった思いが、完全な肩透かしだったというのが正直なところで、この1回の鑑賞で、レコードそのものは自室の棚に雑然と押し込んでしまった事には、何の言い訳も成り立ちません……。

それが昨夜、偶然にも崩れ落ちた幾枚かのシングル盤の中に紛れて(?)いたんですから、これは……、もう一度、針を落とせっ!

という、神様の思し召しかと思い、本日朝イチに鳴らしてみたという次第です。

しかし……、それでも、あんまり面白くなかったというのが本音であり、つまりはサイケおやじの感性に合っていないんでしょうねぇ~、この青木絵奈という歌手は (^^;

もちろん、彼女についての詳らかなプロフィールは知る由もありませんし、他の音源についての情報もありませんが、もしも、これを前述した高校生時代のサイケおやじが聴いていたら!?

おそらくは使った小遣いの分だけでも、繰り返して聴いていた事に間違いはなく、素直な感想も大いに異なっていたでしょうねぇ~~ (^^;

―― と、そんな妄想を自問自答しているばかりでございます (^^ゞ

ということで、自分の好きなものとの繋がりを強くする事は、殊更趣味の世界では大切な喜びでありましょう。

それは何かを蒐集するという行動において、手に入ってしまえば、ひとつの安心感が得られるという場合もあるでしょうし、持っていないと不安になったり、例えば経済的な壁に直面して、精神の安定を欠く事だって、全く無いとは言えないわけですよ (^^;

だから……、人間の欲望ってのは、ねぇ…… (^^;

コメント
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