OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

この人だぁ~れ part-94:上田茉莉

2022-08-10 17:20:11 | 歌謡曲

はじめての日から / 上田茉莉 (ポリドール)

世の中、全てを詳らかにする事は決して良いとは思いませんし、曖昧さとか、中途半端な魅力ってものに惹きつけられる自分を感じたりするのも、これまたサイケおやじの性癖のひとつです。

そして本日掲載したシングル盤は、正に……、それっ!

なにしろジャケ写からして、ソフトフォーカスを使い過ぎた様な雰囲気が濃厚で、だからこそ上田茉莉と名乗る女性歌手のルックスが曖昧模糊……。しかもファッションにしても、これが発売された昭和49(1974)年7月という時代の空気が横溢したノスタルジックな西洋ムードという、所謂アンノン系の微妙なアナクロニズムが、如何にもスタイリストのジコマンみたいな……。

しかし、これが同時代の歌謡アイドルには定番だった事も確かであり、例えば南沙織や山口百恵にしても、こんなファッションをお仕着せ(?)られ、「明星」や「平凡」等々の芸能誌に登場していたんですから、懐かしくもあり、面映ゆいのは、今にしての感情です (^^;

そして肝心の収録A面曲「はじめての日から」が、それに劣らない中途半端さが魅力のポップス歌謡でして、結論から述べさせていただければ、作詞:安井かずみ&作曲:梅垣達志が狙ったのは正統派アイドル歌謡だったんでしょうが、矢野誠のアレンジがユーミン系ティンパンアレイ調で、特にリズムアレンジのニューミュージック性感度の高さは特筆されるべきものなんでしょうが、それが必ずしも楽曲の味わいに整合性を与えているとは思えないんですよ、サイケおやじには……。

また、上田茉莉の歌唱にしても、所々に極僅かですが、セクシーな雰囲気が滲んでいたり、玄人っぽい節回しが出たりして、歌詞の世界の新鮮な恥じらいみたいなものが薄められている気がするほどです。

ところが、そ~ゆ~ズレたミスマッチフィーリングが、サイケおやじの天邪鬼を刺激してくれるのも、また確かな事実でありまして、まあ……、何も歌謡芸能史云々を語らずとも、こ~ゆ~面白味のある楽曲が次々に制作発売されていた「昭和」という時代に生かされていた自分に感謝するのが本当のところかもしれません (^^;

ちなみに、例によって上田茉莉については知るところが全くありませんし、これっきりしか持っていないレコードにしても、ネットで纏め落札出来たシングル盤の山から掘り出した、それもサンプル盤でしたからねぇ~~、オンタイムの彼女の活動状況が、ちょっぴりではありますが、気になったりしています (^^;

まあ……、それも中途半端な魅力に惹きつけられたが故の事と、ご容赦くださいませ <(_ _)>

コメント (1)
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